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リクエストは

「涙そうそう」をお願いします。

彼女は、私が初めての職場でできた友達でした。
半年後に入社した、ふたつ歳上の後輩でした。

彼女は、活動的で、テニスやバーベキューと休みの日、家で過ごすことの多い私を何かと誘い出し、たくさんの時間を一緒に過ごしました。

お互い、家庭を持ち、育児に家事に慌ただしく日々を送り、久しぶりに彼女に連絡を取ると、病院に通う日々だと気丈に笑って言っていました。

そして、久しぶりに会った彼女は、オシャレだった面影もなく、ニコニコ笑って病状を語り、帰って行きました。

しばらくして、彼女のご主人から彼女が亡くなったとの知らせを受けました。

ただただ、信じられない気持ちで、涙がみるみる溢れ、その場にしゃがみ込んで声を出して泣いてしまいました。

この春で七回忌です。
彼女を思い出すとき、いつも笑顔でした。

リクエストは、「涙そうそう」をお願いします。

#エッセイ

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