物語の始まり

昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。

昔々とはいつだ!
あるところとはどこだ!
おじいさんとおばあさんは人だ!

最後だけ、何か違いますね。人だ! ではなく、誰だ! ですね。
まあ、昔話のおじいさんは、苦難や怪奇現象に立ち向かう強い心を持ったスーパーおじいさんですから、人かどうか疑わしいですね。
冗談はさておき、このおじいさんとおばあさんは誰ですか?

わからないという匿名性に昔話の妙があるわけですが、ただ、物語の始まりは、そうではないですよね。
宇宙世紀0080年にポケットの中の戦争があったり、宇宙歴799年に新帝国歴が始まったり、西暦2000年にセカンドインパクトがあったりするわけです。
こんな感じで、時間がまず設定されます。
で、場所がサイド6であったり、フェザーンであったり、南極大陸だったりするわけです。
そして、そこにバーニィがいたり、ラインハルトがいたり、葛城さんがいたりするのです。

こうやって具体的な時間、場所、人名を出すことによって、この物語は本当にあった怖い話……ではなく、同じ世界線ではないけれど、実現しているかもしれない本当の話という体裁をとるのです。

だから、こうやって始めた物語は、もはや真実!
見た目は子供、頭脳は大人な少年に見つけ出されてしまうものとなるのです。

ところどころマニアックな知識を交えましたが、FictionとTruthの狭間の物語の魅力は具体的な設定なのではないかと思うのであります。

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