ロマチックな読解

高校生の時に、先生に言われた言葉で最も印象的だった言葉は「君の読解はロマンチックだ」というものです。まあ、ディテールは違うと思いますが、だいたいこんな意味のことを言われました。
理想的な結論を追い求めすぎてしまうのが、欠点だということなんですが、そもそもこの評価がポエティックですよね。よくもまあ、生徒の答案を読んでロマンチックだという評価語が出てきたものだとその言語感覚がすごいなぁと思います。

さて、教員になって私もこういう評価をすることがあります。それはパターンが決まっていて、

1.理想的な物語の進行をイメージしたがる。登場人物に純粋であってほしいと願うような回答

2.物語の展開とは関係なく、自分が思い込んだ状況や物語には書いていないことを作り上げた回答

1.は、まだ本文に即して考えていこうという意志が見えるのでまだましなのですが、2.は物語を無視して暴走しているので、切ないなぁと思います。この切なさにロマンを求めても意味がないんですけどね。

たぶん、僕は1に近い思考パターンが多かったような気がします。
事実は小説よりも奇なりというけれども、文章を誤読した生徒の回答は確かにフィクションよりもミステリアスで、ロマンチックです。

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