島第2弾、青ヶ島道中記その6(完結)

青ヶ島道中記と言いながら、最後は八丈島である。そして我々に残された時間はあと5時間ほどである。なにをしようか。3秒ほどおばっちゃんと話あった結果、文化・民俗はもう勉強したので、あとは飯と風呂さえあればいいか、ということになり、「いそざきえん」という飯屋に向かうことにする。ここは、1年ほど前に、会社の同期や先輩たち独身男性5人でちんちんとかおっぱいとか言いながらドライブをするという地獄のような八丈島旅行をした際に、予約で満席だとかで行けなかったお洒落な飯屋である。一年越しの再チャレンジであったが、今度は無事に入ることができた。島の伝統料理だとか、魚だとかを食べる。上品に仕上がっていてうまい。あとくさやを初めて食べた。いうほどくさくはなかった(はず)。

つづきまして、風呂である。着々と島ですべきことをこなしていく。いつもなら「みはらしの湯」に行くのだが、たまには趣向を変えてということで「ふれあいの湯」という別の温泉に行ってみることにする。ハーフマラソン(当日は八丈島ハーフマラソンが開催されていたのであった)のランナーたちが建物の外までいたので、中は芋洗い状態なのではと一瞬危惧したが、その人たちを乗せたバスが程なくして出て行ってからは非常にゆったりと過ごすことができ、非常に快適であった。ちょっと海からは奥まったところにあり景色は「みはらしの湯」にかなわないものの、泉質は非常によかったし、露天風呂も気持ちがよかった。

さて、まだ時間がある。あとしていないことは、と考えてみたが、地獄のような男5人旅行でやり残したことがまだあったのだった。おしゃれな古民家カフェに行くことである。1年前、男5人で旅行に行くと職場で言ったら、同期の美人女子が八丈島ならここがオススメ、と男5人に古民家カフェを教えてくれたのである。結局その時は閉店していていけなかったのだが、それは一年越しだろうとなんだろうと行かねばなるまい。とはいえ、昨年とおなじく冬のオフシーズンなので閉店している可能性は十二分にある。そして場所もなんだかうろ覚えである。果たしてたどり着けるのかなと心配したが、さすが八丈島、ほぼ一本道だったので程なくして見つけることができた。今年はやっているようだ。よかった。インスタ映えのする写真を思わず撮りたくなるような、おしゃれな店内で、おばっちゃんと二人で優雅にお茶を楽しんだ。

時間の使い方が下手なのか、飛行機の時間まで中途半端に時間が余ってしまった。八丈島が初めての人がいれば「民芸あき」でも行っておみやげを買えばちょうどいい時間なのだが、おばっちゃんも俺もおみやげには全く興味がなかった。しかし、牛にはちょっと興味があったし高いところは大好きなので、とりあえず八丈富士中腹の牧場に向かうことにした。牧場へ向かう道路をひたすら登っていく。ここを登るときはいつもイニシャルDの高橋啓介な気分になる。どうでもいいし、伝わらないだろうし、乗ってる車は床に穴のあいたオンボロワゴンだったりするのだが。

牧場は相変わらず、牛しかいなかった。お店もやっていなかった。なにもなくていいよね。一通り上から八丈島の市街地全体を見下ろしてまた山を下る。降りるときは藤原拓海な気分にはならないから不思議である。

これにてタイムアップ。車を返して、空港へ向かう。待合室でビール2本くらい飲みながら反省会をし、飛行機では爆睡し、浜松町についてから串揚げ屋で反省会をし、家に帰った。

また行きたいな、青ヶ島。

こんな現実逃避してないで、芝居の準備をせねば。

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