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旅行雑誌に郷愁を感じる

ちょっと嬉しいことがありました。家人が日本から帰る途中で紛失した預入れ荷物がやっと出てきました。 乗り継ぎ便に間に合わなくて、羽田 ✈ ヘルシンキ ✈ アムス ✈ デュッセルドルフと遍歴を続ければ、迷子にならないほうがおかしいくらいです。なかば諦めかけていたところ、「見つかった」との待望の知らせが!

かくして先日、荷物はオデッセイアの末に帰還しました。
二週間ぶりに再会したスーツケースには、こんなお土産が入っていました。
 
JR東日本の車内広報誌 『#トランヴェール』
 
奇しくも故郷の詩人、#萩原朔太郎 の特集でした。週末の今日、異国の街のカフェで異国の言葉を聞きながら、ゆっくり雑誌を広げました。永遠に失われる寸前だったかと思うと愛おしくて、一行一行噛みしめるように読んでいます。

そして、大正の時代を生きた詩人の言葉が時空を超えて ✈ 、心に染みてきます。

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ななめに、しのしのとほそくもえる、ふるへるさびしい草をみつめる。
~(中略)~
ふるへる、わたしの孤獨のたましひよ

『月に吠える』収録 『孤獨』から

故郷を詠んだ朔太郎の詩に心が反応するのは、なぜか。旅の空ではない外国(=定住先のドイツ)にあって、旅行雑誌は旅情ならぬ郷愁を誘います。それは、同じ埃っぽい田舎の空気を吸って育った私が詩人の言葉のコノテーションを共有するゆえかもしれません。

いずにせよ、なかなかよく出来た雑誌です。デジタルメディアも手軽でいいけれども、気の向くままにページをめくることのできる #プリントメディア もよいものです。

詩人に触発されてか無性に言葉を紡ぎたくなり、久しぶりに日本語で投稿してみました。

#翻訳者の週末 #前橋文学館 #萩原朔太郎記念館 #TrainVert

 

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