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女性を子宮呼びすることへの反対意見

「子宮オーナー」などの表現について。

 最近、SNS上でトランスジェンダーへの差別反対を声高に叫びながら、女性を「子宮オーナー」など臓器呼びする人を見かけるようになりました。インクルーシブな表現としてこのような言葉が出てきたようですが、それは適切でしょうか?

 このような表現は、トランスジェンダー男性が医療に繋がるために出てきたような噂も聞きますが、実際のところはよく分かりません。弊会にはFTMもおり、この意見表明もFTM、MTF両方の当事者で話し合った上のものです。少なくとも弊会では、このような要望も話題も上がったことはありません。

 一方で「トランスジェンダー女性は女性だ」とすることから、生まれながらの女性を示す言葉としても「子宮オーナー」などが使われているようです。とんでもないことだと思います。

 私たち性別不合当事者の会は、たとえ性別に強い違和感を持っていても、生得的な女性と同じ「女性だ」とは考えておらず、手術・戸籍変更しても法的女性になったに止まると認識しています。

 ですから、「子宮オーナー」などの言葉が広まることは、私たち性別不合の当事者(性同一性障害の本人)として迷惑です。

 一人の人、女性を「子宮オーナー」などと呼ぶ、これらは女性の蔑視、侮辱であり許されないと考えます。まして病気や事故などから子宮を持たない女性もいます。到底インクルーシブなどと呼べない、女性を排斥すらしている言葉です。

 イギリスの、ハリーポッターの原作者J・K・ローリングが「女性と言う単語を思い出して、使わせて」とツイッターに書いて、迫害され脅迫されました。生得的女性を「女性」と呼ぶ、それが「トランス女性への差別」だとするからなのでしょうけれど、おかしいです。性自認は内心の思いで、それと関係なく生得的な女性は「女性」です。

 平塚らいてうの言葉に『元始、女性は太陽であった』というものがあります。性別不合当事者がなかなか生きづらい世の中で、味方であってくれたのは女性たちです。そんな女性たちが長い歴史で獲得した権利と地位を脅かしてはならないと考えます。

 女性は、構造的に搾取や差別を受けやすい立場であり、根深い男女差別は現に存在します。臓器呼びするなど決してあってはなりません。私たちは社会で生きる一員として、女性を「子宮オーナー」などと臓器呼びすることのないよう、すべての人に求めます。

   2022年2月9日

性 別 不 合 当 事 者 の 会

共同代表  河 村 み さ き

共同代表  御 堂 こ ず え

共同代表  森 永  弥  沙

共同代表  吉 崎  真  琴

(*)本意見表明とあわせて、弊会が性別不合当事者として社会に望みたい改善を設立趣意書に載せておりますので、そちらもご参照ください。

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