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7月30日西武戦の初回、対山川の配球について考える。

 今回は7月30日に行われた埼玉西武ライオンズ戦の初回の「対山川」への配球について個人的な意見を述べていく。1死1.3塁の場面、迎えるは4番山川。前日3安打(内1本はホームラン)4打点とまさに後半戦初戦からエンジン前回という状態。打たれると相手のペースに、そして山川自信もよりノッていける場面だ。が、結果はフォークを4球続けての4球目を捉えられあわやホームランのフェンス直撃タイムリーツーベースで先制を許してしまう形となった。

SNSでは「調子の良い4番打者に同じ球を続けてどうする!」や「インハイに当てるつもりで真っ直ぐを挟むべきだった」など様々な意見で溢れかえっていたが、早速結論から申し上げると「あの配球自体は間違っていなかった」というのが私の考えだ。では何故間違いじゃないと考えるのか、説明していこう。

▫️真っ直ぐ狙いの山川

 まず大前提として頭に入れておいてほしいのが「山川は常に真っ直ぐ狙い」だということだ。他球団との試合の時がどうかは分からないが、特にホークス戦ではそのようなスタンスなのが見て取れる(何故かは触れませんが)。

これは4月の試合。2球フォークで追い込んで3球目は見逃されボールという場面。バッテリーは「フォークを3球見せてその内2球は振ってくれてフォークに意識が行っているから、そろそろ真っ直ぐに切り替えるか」というような意図で真っ直ぐを投げたのだろう(本当かは分からないが多分合ってる)。しかし山川は「待ってました」と言わんばかりに真っ直ぐを打ち返し先制の3ランホームラン。

これは次の日の試合。カットボールを7球続けての8球目を逆方向に先制の3ラン。前日と同じで「そろそろ真っ直ぐに切り替えるか」というような安易な考えで真っ直ぐを投げてしまったのだろう。だが前日と全く同じだ、「待ってました」と言わんばかりのスイング。

まあ、何が言いたいかと言うとこれだけ変化球を見せられながらも真っ直ぐをホームランにしている点から「そろそろ真っ直ぐ」を山川はずっと待っているというのは誰が見ても分かることだろう。

▫️フォーク4球の意図

この日大関とバッテリーを組んでいた海野は、上記で述べた山川の特徴を把握しての配球をしていた。というかまともな人ならば、山川でなくても初回の1.3塁の得点圏で馬鹿正直に真っ直ぐで強気に!というような選択にはならないだろう。

海野大関バッテリーは初球からフォークの連投、2球で追い込む。1球見逃されて4球目もフォーク。が、甘く入ってしまい先制されてしまった。

打たれたから「良くない」という訳ではなく、ここのフォークの連投は上記で述べた山川の特徴を考慮すればなんら問題ないことぐらい分かる。しかも、一死1.3塁の状況からしても三振か併殺の取れるフォークでいくのはごく当たり前だ。この場面は、どちらかと言うと大関のコントロールミスで、海野も「低めに」というジェスチャーをしていたので大関が海野のリードに応えないといけない場面だった。

また、「真っ直ぐを高めに挟む」という意見もあったが、それではフォークへの布石が過ぎ逆にフォークを見切られてしまう可能性もある。なので、ここは真っ直ぐを投げずとも真っ直ぐを意識させフォークを連投するという配球は間違っていないでしょう。

以上の理由から、「配球は間違っていなかった」と私は考えているのです。

▫️大関の課題

 このようにフォークが縦にしっかり落ちない場面があるので、ガッツリ落とせるようにはなってほしい。ここ数試合勝ちきれないのはその辺もひとつの要因となっているでしょうね。また、ごく稀に「そこで投げてはいけない真っ直ぐ」でやられる場面も改善していくべき点でしょう。スタミナもあって自分で考えられる思考力も伴った素晴らしい投手ですし、今後の更なる大きな飛躍を期待しています。

※昨日、球団は大関投手に左精巣がんの疑いがあり、2日に福岡市内の病院で左睾丸の高位精巣摘除手術を受けたことを発表しました。こんなタイミングに大関投手に関する内容のnoteを書いたのは偶然で、私自身非常に驚いています。一刻も早く元気な姿を球場で見せてくれることを祈っています。

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