350位:スティーヴィ・ワンダー『Music of My Mind』(1972年)|【ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)】
このnoteでは、2020年に8年ぶりに改訂された『ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選』のレビューを翻訳しています。本日はこちらのアルバムです。
350位:スティーヴィ・ワンダー『Music of My Mind』(1972年)
<レビュー翻訳>
モータウンとの過酷な契約が切れたあとにレコーディングされた『Music of My Mind』では、新たな力を得たスティーヴィー・ワンダーが芸術的なコントロールを掌握し、『Innervisions』や『Songs in the Key of Life』といった大ヒットアルバムのためのリラックスし、愛に満ちたウォームアップを作り上げた。「Love Having You Around」や 「Superwoman(Where Were You When I Needed You)」といった名曲で、ほぼすべてのファンキーな音を彼が演奏している。その他にもワンダーは、タイトなブギーの 「Keep on Running」や、政治的な含みを持った単刀直入で率直な 「Evil」では、クラヴィネットでのジャムを披露している。
(翻訳:s.tsujimoto、 原文へはこちらから)
<ランキング比較>
参考として、この500枚のリストで「このアーティストの作品が何枚ランクインしたか」と、前回版(2012年版)とのランキングの比較についても調べ、以下にまとめています。
【2020年度版】
『For Your Pleasure』の順位:350位
スティーヴィ・ワンダーのランクイン枚数:4枚(本作以外は、59位:『Talking Book』、34位『Innervisions』、4位『Songs in the Key of Life』)
【2012年度版】(前回版)
『For Your Pleasure』の順位:285位
スティーヴィ・ワンダーのランクイン枚数:4枚(本作以外は、90位:『Talking Book』、57位『Songs in the Key of Life』、24位『Innervisions』)
<メモ>
作曲やアレンジのみならず、ほとんどの楽器を自身で演奏しているという。元祖・宅録名盤のひとつと言って良いでしょう。シンセ・ベースの開拓者でもある彼の、鍵盤の左手から生み出されるベース・ラインも素晴らしいです。
「Girl Blue」のヴォーカル処理やリズム・アプローチが先進的でカッコいい。のちの彼のヒット曲にもつながるようなメロディの美しいポップス「I Love Every Little Thing About You」での、囁くようなヴォイス・パーカッションも痺れます。
あとランキング比較を見ると、『Songs in the Key of Life』の評価は2020年版でものすごく上がったのだな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?