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351位:ロキシー・ミュージック『For Your Pleasure』(1973年)|【ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)】

このnoteでは、2020年に8年ぶりに改訂された『ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選』のレビューを翻訳しています。本日はこちらのアルバムです。

351位:ロキシー・ミュージック『For Your Pleasure』(1973年)

<レビュー翻訳>

キーボーディストとしてのブライアン・イーノのロキシー・ミュージックでの最後の作品は、ポップ・アルバムのウルトラスウェードだと言える。つまり、あまりにスタリッシュで、抽象的なアート・ロックだ。イーノとシンガーのブライアン・フェリーの相反するヴィジョンの衝突は、特にドライヴ感のある 「Editions of You 」と 「Do the Strand」で顕著だが、本作にワイルドで緊張感のある魅力を与えている。そしてこの作品のかなり奇抜な目玉である「In Every Dream Home a Heartache」は、フェリーがラヴドールに向かって歌う魅惑的なバラード(“I blew up your body, but you blew my mind”(俺はお前の身体を膨らましたが、君は俺の心を吹き飛ばした))で、歴史上最も気色の悪いラブソングのひとつだ。
(翻訳:s.tsujimoto、 原文へはこちらから)

<ランキング比較>

参考として、この500枚のリストで「このアーティストの作品が何枚ランクインしたか」と、前回版(2012年版)とのランキングの比較についても調べ、以下にまとめています。

【2020年度版】
『For Your Pleasure』の順位:351位
ロキシー・ミュージックのランクイン枚数:2枚(本作以外は、336位:『Avalon』)

【2012年度版】(前回版
『For Your Pleasure』の順位:396位
ロキシー・ミュージックのランクイン枚数:2枚(本作以外は、274位:『Siren』)

<メモ>

「The Bogus Man」のギターの使い方や効果音がものすごくカッコいい。この時代にこんなギター・サウンドがあったのが驚き。
「Grey Lagoons」はファンキーなソウル・ロックで非常に心地良いノリだが、ベースにショート・ディレイをかけるパートがあったり、やはりイチイチ音作りが捻くれていて、そこが良い。
ブライアン・イーノ時代のロキシー・ミュージックをほとんど聴いたことがなかったので、興味が出ました。1stも聴いてみようと思います。
ちなみにA面のプロデュースは、クリス・トーマス(ピンク・フロイド『狂気』のミックスなどで有名)だそう。
ブライアン・フェリーの歌唱スタイルも、デヴィッド・シルヴィアンに続くような好きな系譜のやつです。
あとランキング比較をしてみて、『Avalon』が2012年版には入っていなかったのが意外でした。


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