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「体験」がホテルのアメニティに!新体験アプリで宿泊者の記憶に残る地域観光を提供【株式会社on the trip|事業紹介・実装報告】

日本の観光分野において、地域や事業者が抱えている課題として、人手不足、インバウンドへの対応、高単価・高付加価値のサービスの提供、などが挙げられる。愛媛県においても、同様のことが考えられる。

国内外から観光客が戻ってきた現状で、たくさんの観光地の中から旅先として選んでもらうためには、新たな策を考える必要があるが、それも売り上げが向上しないと投資すること自体が難しい。

観光は少しずつ変化しており、その場所での「体験」に価値を感じる人が増え、さらに感度の高い人であれば、旅先での「学び」を求めている。日本や愛媛県に興味を持って訪れた観光客、特に訪日観光客は日本の文化を知りたいという欲求を持ち、訪れた観光地の歴史や文化などを学び、旅を終えた後の日常に変化があるような観光を求めているのだ。

ここでは、愛媛県で実装された、人手不足、インバウンドへの対応、高単価・高付加価値のサービス、そして新たな体験や学びを提供するために開発されたアプリを活用した地域観光体験プロジェクトを紹介する。


GPS連動のトラベルオーディオガイド「ON THE TRIP」

プロジェクトリーダーである株式会社on tne tripは、観光そのものをまるで美術館のように捉え、その土地にある歴史・文化・物語などをオーディオガイドで案内するトラベルオーディオガイド「ON THE TRIP」を展開している。

文字、写真、音声など五感を使って体験できる新感覚のトラベルガイドで、GPSと連動しているため、歩いていると自動で音声が流れてくる。日本語、英語、簡体字、繁体字の4ヶ国語(5ヶ国語対応予定)に対応しており、日本人だけではなく外国人にもしっかりと場所の魅力を伝えることができるのも特長だ。

さらに、一つひとつの観光地にあったガイドをオリジナルで作り、ただの観光ガイドとしてではなく、アプリのユーザーが夢中になってしまうような一つの物語のように作り上げていく。

これまで200施設以上の導入実績があり、京都や奈良の主要な寺社、日本各地の美術館や城などの施設ガイドをはじめ、自治体と連携したまち歩きガイドも制作している。

このサービスを導入しやすい理由として、以下の2つのガイド制作モデルがある。

・入館料を払った来訪者にはガイドの無料提供する「入館料上乗せモデル」
入館料、拝観料をあげて、そのあげた分からお互いにシェアするモデル。ユーザーは、オーディオガイドを無料で使用可能。パンフレットなども制作し案内も充実させ館内を巡りやすくなる(金額や、シェア配分は要相談)。

・施設や自治体がスポンサーとなりガイドの提供する「スポンサーモデル」
施設がガイドアプリの制作費用を支払い、訪れる来館者は誰でも無料で使用できるようにするモデル。一部ガイドを無料、一部ガイドを有料、など、場所によって連携は様々。有料にした場合、施設側と金額をシェアしていく。

どちらのモデルでも、5ヶ国語に対応した音声ガイドアプリの制作や、ポスターやチラシ、パンフレット、館内案内などの制作ツールデザインは無償で制作している。施設や地域によって異なる導入のハードルを低くする施策が取られているのだ。

▼「ON THE TRIP」のアプリは公式サイトからダウンロード

旅の拠点となるホテル発の体験コンテンツを制作

ホテル発のアプリの体験イメージ

旅の拠点となるホテルは、安らぎを与えるだけではなく地域観光の拠点でもある。全国各地に様々なホテルがあり、差別化を図ることはなかなか難しい。そこで、ホテルならではのオリジナルの体験を、歯ブラシや石鹸といった一般的なアメニティと同じように、宿泊者が無料で体験できるデジタルアメニティとして提供することで、差別化を図ることができるのではないか?と同社は考えた。

今回トライアングルエヒメで実施したのは、ホテルからスタートする新たな地域周遊コンテンツの制作だ。

愛媛県大洲市・内子町で実装

「大洲城」

愛媛県の実装フィールドは、昔ながらのまち並みが残る大洲市と内子町。大洲城の城下町を楽しむ31部屋の分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」と、内子町観光協会の協力のもと、新たな観光コンテンツの制作が行われた(内子町については観光スポットの情報連携に関する協力)。

on the tripは、企画立ての段階から実装パートナーである「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」と、内子町観光協会の担当者とコミュニケーションをとり、現地視察をしっかりと行ったうえで、大洲市・内子町の観光資源について理解を深めた。

そして、アプリ掲載用のプロのカメラマンによる写真撮影、そして音声ガイドの収録を行った。

宿泊者の82%が体験!大洲市「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」のデジタルアメニティ

大洲市・おはなはん通り(写真提供:株式会社on the trip)

「NIPPONIA HOTEL 大洲 城下町」では、宿泊者向けに3つの体験を用意し、2024年2月からサービスの提供をスタートした。

・歴史まち歩きガイド「OZU 大洲まち歩き」

大洲の歴史文化を感じてもらうためのガイド。

・絶景、周遊ガイド「OZU PHOTO」

連泊する人も満足してもらえる、フォトジェニックをテーマにした大洲市だけではなく内子町など近隣のエリアを周遊できるガイド。

・部屋の睡眠ガイド「睡眠浴」

睡眠前に利用してもらう、音楽の体験。新しい眠りの体験をナビゲート。

■実装成果

2024年2月からこのサービスをスタートしたばかりだが、2月の宿泊者236名のうち194名(82%)もの人が体験してくれた。

また、昨年に比べ2月の予約数が、47部屋分増加する結果となった。

この成果が生まれたのには、ホテルスタッフによるチェックイン時の丁寧な案内が大きな要因にあると考えられる。コンテンツの制作段階からホテルのスタッフも参加し、アプリの企画内容と価値について理解した。そしてサービス開始後、宿泊者がチェックインをした際に、丁寧にデジタルアメニティの案内ができたことにより、宿泊者の利用率が上がり、さらにはスタッフと宿泊者との間でコミュニケーションが生まれることで全体的に満足度がアップに繋がったのではないかと考える。

引き続き体験を提供し、売り上げ向上だけではなく、宿泊者のクチコミの量と質の向上も目指していく。

大洲市・内子町を成功事例に県内外でサービスを展開!

今回の大洲市・内子町での取り組みがクチコミで広がり、松山市の人気観光地・道後にあるホテルでも「導入したい!」という声が挙がっている。さらには、道後商店街振興組合と協力し、「道後のまち歩きガイド」の制作がすでにスタートしている状況だ。

また、NIPPONIA HOTELは、広島県の竹原にある施設にも導入することが決定するなど、愛媛県内だけではなく県外にも横展開されている。

今後、公共交通機関とも連携した、新たなコンテンツにも挑戦する予定だ。

今年度の実装で、宿泊に付加価値をつけて単価を上げ 、地域の観光産業との連携も加速させるホテル発の体験コンテンツをつくることで、観光客には価格以上の満足度を提供でき、地域の観光単価を底上げすることに繋がることが証明された。今後、ON THE TRIP上に大洲市・内子町だけではなく道後やその他愛媛のコンテンツが増え、新たな体験を通して愛媛の魅力を多くの人に知ってもらえることに期待したい。

▼「ON THE TRIP」のアプリは公式サイトからダウンロード

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