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一次産業体験サービス「えひめ丸ごとファーム」がMR技術の活用でさらにパワーアップ!【株式会社Root|実装報告】

私たちの衣・食・住を支える一次産業は、なくてはならない重要な産業だ。しかし、高齢化による慢性的な人手不足や、他の産業と比べ所得水準が低いこと、労働内容の難しさや、栽培ノウハウの継承の難しさなど、事業者が直面している課題は多くある。その一方で、コロナ禍で、密を避けながら農業を体験し、宿泊するグリーン・ツーリズムの需要が増えるなど、一次産業体験のニーズは高まった。

これからの時代、「稼げる農業」をどのように展開していくかがカギとなる中、農業を体験したい人と収益源を得たい農家を繋ぐ新たな一次産業体験サービスの開発を手掛けるのが「株式会社Root(以下、Root)」だ。

Rootは2022年度から、愛媛県内各地の水産養殖、果樹、みかん農園が参加するプラットフォーム「えひめ丸ごとファーム」を通して、現地でのリアルな体験に限らず、愛媛から遠く離れた人も、どこからでも農業体験が楽しめるサービスの提供検証を行ってきた。

▼株式会社Rootのレポート記事はこちらをチェック


一次産業体験サービス「えひめ丸ごとファーム」

「えひめ丸ごとファーム」は、愛媛県各地のファームでの生産を“いつでもどこからでも”楽しめる体験サービスアプリ。2022年11月にリリースし、現在4の事業者が登録されている。

▼えひめ丸ごとファーム

プラットフォームでは、専用アプリとLINEのみきゃんチャットボットを通して、オリジナルのSNSや生産者との簡単なビデオチャット、データシミュレーションなどにより、「アプリ体験」「現地体験」「配送」を組み合わせた新時代の体験サービスを楽しむことができる。

この「えひめ丸ごとファーム」のサービスを通して、解決できるのは以下の課題だ。

■農業者・水産事業者が抱える課題
収益力向上のために、作物を作って売る「モノ」の事業に加え、体験価値(「コト」)を中心とした事業構築が有効。ただし、現地での体験サービス提供は、手間や時間などの面で課題がある。

■エンドユーザーが抱える課題
時間、距離、心理的要因で農漁業体験をしたくてもできない。

2022年度は、「えひめ丸ごとファーム」の制作とリリース、そしてスマート体験サービスを、果樹園、水産養殖の分野でテスト提供した。このサービスを通して、実際にユーザーに農業体験をしてもらい、事業者・エンドユーザー双方に価値を感じてもらうことができた。

▼リアル×オンライン「みかん鯛」の養殖現場を体験の様子

MR技術で楽しみながら擬似体験ができる新コンテンツを開発!

2023年度は、その発展形となるスマートグラスとMR(複合現実)技術を用いた「MR農漁業体験コンテンツ」の開発を実施し、県内外の介護施設や学童へのサービステストを行った。エンドユーザー・事業者双方の課題解決を目指した新しいサービス形態を構築。

■宇和島みかん鯛と、ふれあいMR体験

「宇和島みかん鯛と、ふれあいMR体験」の様子。

「みかん鯛」でお馴染みの中田水産の実際の生簀の中のVR動画を背景に、ユーザーの周りの現実空間を3Dモデル化したみかん鯛が泳ぎます。鯛は自分の手で捕まえることができ、捕まえた魚の説明などを聞くことができます。

■MRみかん収穫体験

このように、MR体験を開発・サービス形態として、スマートグラスデバイスを定期的に発送する「デバイス発送式」を考案した。

MR農漁業体験サービスを検証!参加者から喜びの声多数!

実際に、介護施設5件(愛媛県内)、学童1件(神奈川県)に対してMR農漁業体験テストを実施した。

■MR農漁業体験テストの実施状況
参加意向率:100%(6/6)
参加率:83%(5/6)
期間内完了率:40%(2/5)

MR農漁業体験を実施し、学童、介護施設共に、強い興味をもってテストに参加してくれた。学童の子どもたちは「熱狂的」と言って良いぐらいに楽しんでくれた。また、介護施設の入居者も、すんなりと内容を理解し、楽しんでくれたため大きな手応えがあった。

来年度に向けて

来年度の展望としては、「えひめ丸ごとファーム」は継続的な運営を続け、愛媛県の農園や水産事業者には、プラットフォームを通じた支援を継続しながら、並行してMR農漁業体験の「開発」にも専念する予定だ。また、今後トライアングルエヒメで採択されている事業者とも連携し、愛媛県内の新たな一次産業の支援実現に向けた取り組みを継続したいと考えている。

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