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空と地面から地中を調査 水道管を守り社会を守る【NECネッツエスアイ株式会社】

生命を支える大切な水。飲用だけでなく衛生や産業のためにも欠かせない。その水を当たり前のように使えるのは、水道管のおかげだ。水道管は、まるで皮膚の下を巡る血管のように、地下で人々を支えている。文字通り「ライフライン」である水道管をいかに守るか。それを実践するかつてないソリューションが誕生した。

デジタルを駆使した漏水検知で水道インフラを管理

水道管の漏水・破損事故は全国で年間2万件を超える。発生すれば貴重な水が無駄に流れ出し、住民は断水の危機に陥る。噴出水がガス管を破壊したり、道路の冠水や陥没を引き起こしたりすれば、人命をも脅かしかねない。

背景にあるのは、水道管の老朽化だ。高度経済成長期に整備された全国の水道管で劣化が進んでいる。耐用年数を超えた水道管は更新(新しい管への交換)が必要だが、全てを直ちに行うことは難しい。また基準年数に達していなくても、地理的条件等で劣化が早い場合もある。的確に対処するには、まず箇所を発見しなければならない。
だが水道管は地中にある。見えない場所を調べることは簡単ではない。
そこに解決策を提示したのが、「NECネッツエスアイ株式会社」だ。

衛星と地上からのデータを分析し地中を見る(チャレンジャー:NECネッツエスアイ株式会社)

同社は日本の情報通信技術の歴史を草創期から支えている。祖業から受け継ぐネットワーク事業を核とし、時代と共に進化しながら企業内システムから社会インフラまで幅広い分野をさまざまなアプローチでサポートし続けている。

その多彩かつ深い技術力をベースに、新しい発想で複数のシステムを融合し、見えない地中の漏水を検知できるソリューションを生み出した。

一般的な調査は人手に依存

現状、漏水調査の多くは人の手によるものだ。
調査機器を通して地下の漏水音の有無を判断するため、経験や専門性が必要になる。
しかし、地域全体を人の手で調査していくには人的リソースが足りていない。
最終的な確定診断の際に人手を使うなど、作業をスクリーニングする必要がある。

水音を耳で聴き取る漏水調査方法には課題も多い。

デジタルによる新しい調査法が登場

それらを解決するのが、同社が提供する「水道管路漏水検知ソリューション」だ。さまざまなデジタル技術を駆使した手法で、大きく3機能を3ステップで進行する。

最初のステップは「マクロ解析」だ。
使うのは衛星画像。人工衛星で調査エリアの画像データを撮影し、衛星から照射した電磁波の反射を解析することで、地下に流れ出る水道水を検出する。漏水の疑いがあるエリアを、衛星画像解析によりマクロな視点で特定するのだ。天候や環境の影響も受けず地中まで監視することができる。

次のステップは「ミクロ解析」。地上で行う調査だ。
マクロ解析で特定したエリア内にある水道管路の消火栓や仕切弁に、ロガーを設置する。ロガーは漏水音をデータ集積するセンサ装置。無線受信機を搭載した車でこのデータを回収し、クラウドへ送信すると、相関解析で地点を割り出し地図上に表示する。エリアをミクロな「点」にまで絞り込むのだ。

最後に「総合分析」により全体を管理する。
収集した画像やデータ、解析情報を一元管理し、さらに気象などのオープンデータも加えて可視化し、総合分析を行う。調査現地などさまざまな場面で閲覧・確認ができ利便性が格段に向上する。
 
以上のようなサイクルで、短期間・低コスト・高精度の調査が実現するのだ。

愛媛県で全国初の実装へ(実装フィールド:新居浜市)

これを今回、全国で初めて、愛媛県新居浜市で実装検証することになった。
 
渇水の発生回数が非常に多い愛媛県の中では、新居浜市の水資源は比較的豊富だが、水道管の老朽化はやはり進んでいる。市としても「耐用年数にとらわれず、各施設の正確な状況を把握し、長期利活用が図れるよう長寿命化に取り組む」(*)との方針を示している。
本ソリューションはまさに、同市の思いに合致したものといえるだろう。

更新計画の策定、広域展開も視野に

プロジェクトは漏水箇所を見つけて完結するのではない。次はそれらを適切に更新するための計画策定へと続く。優先すべきはどこか。更新必須か、修繕で延命できるか。的確に判断し最適な対応計画を立て、実行へと移し、完了すればコスト削減や計画実効の有効性などを成果分析する。蓄積したデータを活用したさらなる高度管理も視野に入れる。
新居浜市はこの長期ロードマップのスタート地点だ。ここから県内各地へ、そして全国へ、水と人と社会を守る事業は広がって行く。

(*出典:「新居浜市新水道ビジョン(令和3年度〜令和10年度)」令和3年3月新居浜市上下水道局発行)

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