見出し画像

OM2プロジェクトアンケート集計結果

こんにちは、Try Angleのすだです。
Try Angleでは、普段は医療的ケア児やそのご家族の旅行やお出かけをサポートする活動を行っていますが、オムツ替えは医療的ケアや障害うんぬんの前に、そもそも子連れという時点で旅行やお出かけをしたい子育て家族に共通する課題でもある、という観点から、今回は「旅行・外出時のオムツ替えについての困りごと」の調査を実施しました。

オムツ替えに関する困りごとを可視化し、ニーズ調査をした上で、「オムツを使っている子どもたちとの旅を、楽に、楽しくする」ためのアクションを進めていきます。今回は、OM2プロジェクト(オムツプロジェクト)のアンケート集計結果が出ましたので、こちらで発表いたします。

また、今後のアクションについてもお伝えします。

📝Googleスライドによるまとめはこちらからご覧ください。👇


アンケート実施概要

(1)調査内容
・旅行・外出時のオムツ替えについての困りごとの調査

(2)調査方法
・ 調査対象:オムツを利用している子を育てる保護者(子の医療的ケアの有無を問わず)
・ 実施時期:2022年9月13日~10月2日
・ 調査手法:Googleフォームを利用したウェブ調査
・ 有効回答数:45件

Q1:このアンケートの回答者であるあなたは?

Q2:ご自身の年齢を教えてください

Q3:お子さんは何人いらっしゃいますか?

Q4:オムツを使用しているお子さんの年齢(月齢)を教えてください

Q5:2~3時間程度の外出時、オムツは何枚持ち歩きますか?

Q6:1泊2日の旅行時、準備するオムツの枚数はどれくらいですか?

Q7:外出時、主に使用しているオムツのタイプはどちらですか?

Q8:一番よく使用しているオムツのメーカーまたはブランド名を教えてください。

Q9:お子さんが着用しているオムツのサイズを教えてください。


Q10:準備していた枚数が足りなくなり、現地や出先でおむつを購入したことがどの程度の回数ありますか?(育児がスタートしてから今に至るまでの期間で)

Q11:旅行時・外出時に使用済みオムツの処分に困ったことはありますか?


Q12:旅行や外出前にオムツ交換ができ、捨てられる場所をリサーチしていますか?

Q13:オムツを捨てられない時はどう対処していますか?


Q14:Q13でその他と回答した方は、どうしているかをご回答ください。

  • 捨てて良いのか悪いのか明確な答えが分からないので、迷惑になるならと思い基本持ち帰ります。

  • 尿量の測定が必要なため。(常に持ち運ぶ前提で用意しているから、あまり困らないが、出先で捨てられる時は測定してから捨てられるよう、秤も持ち歩いている。)

Q15:旅行・外出時のオムツ交換で毎回苦労していることは何ですか?

  • 赤ちゃん用のオムツ交換台しかなく、ユニバーサルベッドを探し回る、しかし無いこと多い。(持ち上げて寝かせられないなど介助側の身体的負担もある。あったとしても連れて行くのが大変)

  • 多目的トイレにバギーで入ると狭い

  • 赤ちゃん用品の多さ。オムツだけでも減れば負担も減る。

  • オムツを捨てる専用のバケツ(ふた付き)がない

  • オムツ替えの場所さがし(女子トイレにしかないこと多く父親がオムツ交換できない)

  • オムツ台・トイレ室内の衛生面

  • オムツ交換に必要な物を置くスペースがない

  • 冬は公園など屋外での交換が厳しい。

  • 同じ場所(ユニバーサルベッドがある場所)しか行けない

  • ユニバーサルトイレがない           


Q16:旅行・外出時、オムツ交換の際にあると助かる!!と強く思うものは何ですか?

圧倒的に「ユニバーサルトイレ」のニーズが高く、次いでオムツ用のごみ箱となりました。

Q17:過去にやってしまったオムツに関する失敗談があれば教えてください


▼漏れに関する失敗

  • 旅行時の急なうんち漏れ対応

  • オムツ交換できる場所が見つからず、服やバギーがびしょ濡れになったこと

  • オムツから漏れて、洋服を着替える、体を拭く作業か大変だった。服も数枚持ち歩かなければならないか、漏れないためのオムツパッドの併用。

  • 介助者の服も替えなければならなかった。

  • オムツは足りていても服が汚れて必要になったこと

  • 交換する場所がなく、車で交換する際、介助者の体勢が難しいため、オムツを引っ張るような形ではがしとったら、うんちがでていて、カーシートにべったり、、、

  • 交換できる場所がなかったのでベビーカー上で無理やり変えて、うまくテープ留められず見事に漏れました。

  • おむつ替えのできる場所がなくて、おむつの吸収が追いつかず車イスに漏れてしまった

  • バギーに座ってる時に、下痢をしてしまい、ベットに下ろしたまでは良かったけど、ベットにも服にも下痢が回ってしまい大変な事に。たまたま主として通う病院のトイレだった為、携帯で病院に電話かけて状況説明し、助けに来て貰えたので大混乱も看護師さん、助手さん達に助けてもらいました。これが全くの外出先だったらと考えると怖いので、予備として持ち歩く物品もかなり多めに持つようになりました。

  • オムツが足りない!漏れて着替えがない

▼オムツ不足の失敗

  • 予想外に足りなくなってしまい、便だけ剥がして捨てて、再度履かせるしかなくなったこと。

  • 数時間なのでオムツを変えて行けば、帰るまで大丈夫のはずでしたが、いつもオムツを必ず一枚は持っているのに、そのときに限り、忘れてしまった。 

▼オムツ交換の環境に関する失敗

  • 多目的トイレ内のベッドがベビーベッドのみで、オムツ交換ができない(毎回)。

  • 車内でのおむつ交換したが、外から丸見えだった

  • オムツ替え台がなく、不安定なところで替えたのであやうく落としそうになった

  • (おむつ交換の)台が短いのに無理やりオムツ替えをした(危なかった)

▼おしりふき・備品に関する失敗

  • 持って行ったお尻拭きが乾燥していて、パサパサになっていた

  • オムツはあるけどおしりふきを忘れたこと。

  • オムツは大量にもって外出したのにうっかり着替えを忘れて下半身はズボンなしでブランケットで隠した。
    おしりふきをわすれて、トイレットペーパーを濡らして使った

▼使用済みオムツの捨て忘れ、持ち歩きによる失敗

  • 外出先で交換したオムツを袋に入れて持ち帰ったが、帰宅後のバタバタの中でオムツがあることをすっかり忘れてしまい、気づいたときにはカバンの中に臭いが充満していた

  • 出先について便が出て、車で替えて、用事を済ませてる間は車のタイヤの上に置いておいたが、帰りにそのまま忘れて落としてきてしまった。

  • 使用済みおむつ(便込み)を袋に入れて持ち歩いていたら、満員電車で鞄が潰れて袋から出ていた。

Q18:最後に、お子さん連れでの旅行で、オムツ交換以外に困っていることがあれば教えてください。

▼休憩スペースがない

  • 持ち込みの物を食事する場所がない、百貨店やショッピングモール内の赤ちゃんコーナーの様な感じで、肢体不自由の身体、大きな子どもが休憩できる場所がない

  • 車いすに長時間乗る事が困難なので、3時間程度ごとに横にさせたいが、横にできる場所がユニバーサルシート付きのベッドのあるトイレ位しかない。(ただし、そもそも数が少ない、また、そこを長時間占領する訳にはいかないので、少しだけ横になってすぐ出る)

  • 行楽施設に救護室がある場合は、事前に連絡をして、借りることもあるが、もっと気軽に横になれるスペース(休憩室)があると助かる。

  • バギーに座り続けると疲れやすいため、寝転べるスペースがないかいつも探している。ソファがあるとベストだが、1人用の椅子だと寝転べずに外出先で休める場所がなく、本人が、おでかけイコール疲れることと思っているのではないかと心配。

  • オムツ交換以外でも、横になれる休める場所が欲しいなぁっていつも思っています。床にシート敷いてゴロンではなく、ベッドで休める場所欲しいです。床から持ち上げるのも、赤ちゃんの時は良いけど、大きくなるにつれて、キツイ為。また衛生的にも床よりは高い位置でと思っています、

  • 子どもも慣れない旅行で疲れていると思うので、ホッとできる場所が欲しいです。以前百貨店の授乳室で、赤ちゃん台でしたが、大きくなっても使える台がありすごく重宝しました。

▼段差・通路幅・空間の広さ

  • 通路が狭くてバギーが通りにくいなど。

  • 子供用車椅子使用なので、バリアフリーに対応していないと少し残念

  • お店がスペースがなく、食事などで車イスで入れないことが多い

  • バギーで移動なので階段のないところを探したり障がい者用の駐車場を探すことが大変

  • スロープやエレベーター、飲食店での車椅子席の確保など

  • エレベーターが狭かったりする

  • ベビーカーでの移動が多くなるので、バリアフリーの飲食店やお土産屋さん、宿を見つけるのが意外と難しい。通路が狭かったり少しですが段差があったり、テーブルが低くてベビーカーに当たるので、そのまま食事ができなかったり。せめて大人用車椅子がスムーズに動ける動線は確保してもらえるとたくさんの人が動きやすくなると思います。

  • 車椅子を使用しているため、段差などが困る。

▼駐車場

  • スロープ付きの福祉車両がスムーズに利用出来るように、配慮されている駐車場が少ない。屋根付きスペースが無い駐車場利用で土砂降りの場合、車から出る事が出来なくなる。

  • 車椅子用駐車場(車椅子が下ろしやすいもの)を見つけるのが大変。

  • 障がい車用駐車場に屋根がなかったりすると雨の日ずぶ濡れになる。障がい者用駐車場の後ろが狭くて、福祉車両のスロープが出せない。

  • 頭から駐車して後ろから出そうとすると、車が走っていて危険。

▼授乳・トイレ

  • 授乳スペース

  • 授乳のタイミングと場所

  • 少しトイレで出来る子なので、トイレに便座が欲しい時があります。

▼医療機器の手配

  • 前もって酸素の手配が必要なので、思い立ってすぐ泊まりに行ったりができず、ホテルや旅館以外のお泊まりもしにくい

  • 酸素ボンベの予備(または手配)をどうしたら良いか分からない。

  • 旅行に行きたいと思っても、準備の段階で既に大変そうなので、なかなか決断できない。

  • 呼吸器の電源がほしい

▼お湯・シンクなど水回り

  • 粉ミルクを溶かすお湯がない

  • 栄養セットやシリンジなどの洗浄場所がない、消毒できない事。ホテルに着くまで洗えていないこと。トイレではない、清潔な水回りがほしい。

  • 子どもがお腹がすいて泣いているのに、授乳室が混んでいて空かないときは困る。

  • ミルクのお湯だったり、哺乳瓶などの消毒が出先で持ち歩くのに限界がある。

▼発作時の病院

  • てんかん発作があるので、旅行先で発作があった場合の現地病院の受け入れの可否に迷う。結果自宅から日帰りで行ける近隣エリアしか行くことができない。いつか遠距離、2泊、3泊の旅行にでかけたい!

▼飲食店について

  • ごはん。柔らかい形態のものや潰すものがない場合どーするか。座席が狭くてバギーでは邪魔になるからなかなか外出行けない。

  • 大きめのバギー型車イスで入れる飲食店が少ない。広いチェーン店しか行けない

  • 注入や吸引をするのにあまり混雑したお店では出来ないのでバリアフリーのファミレスなどでもなかなかいけない。

▼情報へのアクセス

  • 公共交通機関の乗り降りや、訪問先や宿泊施設がバリアフリーかどうかなどを各都道府県、地域ごとに調べられるサイトやアプリがない(なかったり地域独自だったり個人だったり、情報がふるかったり)

  • ベビーカーや車椅子が使える場所なのかを調べても分かりづらい事。

▼荷物が多い

  • なんと言っても荷物が多い事です。医療機器や物品などがコンパクトに収納できるようになるといいなぁと夢みてます!

  • どうしても荷物が多くなりがち。

  • 荷物が多い。一人ではとても連れて行けない。車椅子も外で使うと中に入れられないなど。

  • 荷物が多くなるので、移動が大変。

▼公共交通での移動

  • 電車や車移動内での時間の使い方。どうしても動き回るので、移動中は目を離さずそばにいないととても危ないです

  • 電車での移動時、エレベーターでの移動が本当に大変。地上に出るまでにとても時間が掛かります。

  • 車椅子で行ける場所が限られている。/交通機関を利用する場合の問い合わせ先や必要なもの等が分からない。

▼その他

  • 貸し出しベビーカーがいろんなところにあれば助かる!

  • 感染症等対策のこと。

アンケート結果を受けてのOM2プロジェクトの今後

OM2プロジェクトでは当初、

・オムツを主要観光スポットで販売
・ユニバーサルベッド設置の働きかけ
・オムツ替えスポットのMAP化
・オムツを無料で手に入れられる仕組みづくり

などを検討していましたが、今回のアンケート結果を受けて、当面の活動は下記を中心に進めていくことにしました。

1.休憩スペース設置マニュアルの作成

今回のアンケートのQ15、Q16、Q18では、「ユニバーサルベッドサイズでのオムツ交換」「横になって休憩できるスペース」のニーズが高いことがわかりました。

建物の建築時に多目的トイレや救護室などの設計まで含まれていればベストかもしれませんが、すでにある建物内でも、休憩スペースの設置は工夫次第で可能と考えています。
このヒントとなったのは、福井県で開催されていた「さばえ×遊び場フェス」の多目的室です。

公共施設内での単発のイベントだったのですが、イベント主催者の方が、施設内にあるものを利用し、横になって休むこともできるスペースを設けていらっしゃいました。
こうした単発イベントをはじめ、観光スポットや商業施設でも、空いている空間を生かした休憩スペースづくりができるよう、マニュアルを作成し、発信していきます。

2.イベントや観光スポットでの休憩スペース設置の働きかけ

1のマニュアル作成の続きでもありますが、マニュアルを作って発信するだけではなく、実際に設置するため、運営者への働きかけや協働を進めていきます。

3.少量オムツ・おしりふきの販売促進

おむつやおしりふきが不足した、といった声もあり、少量オムツ・おしりふきのニーズもある程度見込まれそうです。現在は一部のドラッグストアや、コンビニエンスストアで販売されていますが、観光地やオムツ替えスペースで手に入りやすい環境になるよう、取り組んでいきます。

4.「赤ちゃんの駅」オープンデータを活用した情報アクセスの改善

今回のアンケート調査で、オムツ替えの場所がない、見つけづらいといった声が上がりましたが、「赤ちゃんの駅」といった取り組みが全国の自治体で行われており、ベビー用品メーカーのコンビさんのWEBサイトに全国の自治体サイトのリンク集があります。

ただ、自治体によってデータの持ち方にばらつきがあり、情報へのアクセスがしやすいかというとまだ課題が残ります。
そんな中、石川県では「赤ちゃんの駅」として登録されている施設のオープンデータ(機械で判読可能で二次利用可能なかたちで提供されたデータ)がありました。

こうしたデータが全国で整い、さまざまなサービス・アプリで利用できる形にすることで、オムツ替えの場所が探しやすくなる可能性が高まります。
赤ちゃんの駅はおおよそ0〜2歳のお子さんを想定していることが多く、おむつ替え台はユニバーサルベッドほどの大きさがないことが考えられますが、まずはオムツ替えの場所にアクセスしやすくするアクションを行いつつ、大きなおむつ替え台(ユニバーサルベッド)の設置についても導入を進めていただけるよう、取り組みたいと思います。



以上、集計にお時間をいただいてしまいましたが、アンケート集計の取りまとめでした。

末筆となりましたが、アンケートで声を寄せてくださったオムツを使用するお子さんを育てる親御さんの皆さん、ご協力をいただきまして、誠にありがとうございました!


Try Angleの活動に共感、応援してくださる方はぜひサポートいただけると嬉しいです!頂いたサポートは今後の活動に役立たせていただきます😊