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障がい者にとっての「働く意味」

今回は障がい者にとっての「働く意味」について考えます。

「働くということ」


まずは法的なところから考えていきます。

日本国憲法

第27条第一項「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負う」


障害者基本法

第19条 1
国及び地方公共団体は、国及び地方公共団体並びに事業者における障害者の雇用を促進するため、障害者の優先雇用その他の施策を講じなければならない。
2 事業主は、障害者の雇用に関し、その有する能力を正当に評価し、適切な雇用の機会を確保するとともに、個々の障害者の特性に応じた適正な雇用管理を行うことにより、その雇用の安定を図るよう努めなければならない。
3 国及び地方公共団体は、障害者を雇用する事業主に対して、障害者の雇用のための経済的負担を軽減し、もつてその雇用の促進及び継続を図るため、障害者が雇用されるのに伴い必要となる施設又は設備の整備等に要する費用の助成その他必要な施策を講じなければならない。

「働くことの意味」

社会学者アンソニー・ギデンスは、働くことの意味について次のように述べています。

「われわれのほとんどにとって、労働は、自分の生活のなかで他のどの活動類型よりも大きな比重を占めている。
(…中略…)
労働は、骨の折れる単調な仕事以上のものになっている。
(…中略…)
…近現代社会では、職に就くことは、自尊心を維持するために重要である。
たとえ労働条件があまり快適でなく、課業が退屈な場合でさえ、
労働は、人々の心理的特性や毎日の活動のサイクルを構成する重要な要素になりやすい」
(ギデンス・松尾精文・他訳『社会学』)

つまり働くことを通して心理的・社会的に意義があるということです。


障害者にとっての「働くことの意味」


大妻女子大学教授小川氏は、以下のよう述べています。

障害のある人が雇用就労で働くことの意味

① 収入を得て、自分や家族の生活を支え、豊かにする。
② 会社等の社会的組織に所属する。
③ 他社から存在や能力を認められ、必要とされる。
④ 経済的に自立し、所属感、自己効力感等が満たされ、自己実現が図られる。

働くことは収入を得て豊かになることだけではなく、社会、他人から認められ、自己実現が図られるという心理面に大きな影響を与えます。

雇用主は障害者の収入を単に考えるだけではなく、職場環境を整え業務貢献を通じて、働く意義を提供するということの重要性を考える必要があるのではないでしょうか。

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