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障がい者の離職理由の要素は?

雇用率の達成には新規の障がい者雇用も重要ですが、一方で雇用した障がい者の定着率を上げることも、
新規採用にかかるコストを抑え、安定した障がい者雇用を継続する上では重要です。
障がい者の離職する理由は何なのか、事前にわかっていれば解決策を立てることができます。

障がい者の離職理由の傾向と定着率を上げるポイントについてお話しします。


障がい者の離職理由・上位は?


・職場の雰囲気・人間関係(身体・精神)
・賃金・労働条件が合わない(身体・精神)
・仕事内容が合わない(身体・精神)
・疲れやすく体力意欲が続かなかった(精神のみ)
・症状が悪化(再発)した(精神のみ)
・作業、能率面で適応できなかった(精神のみ)

「疲れやすく体力意欲が続かなかった」、「症状が悪化(再発)した」、「作業、能率面で適応できなかった」という理由は
精神障がい者特有のもので、精神障がい者を雇用する場合はこのあたりの配慮を重点的に行うことが定着のポイントになります。

「職場の雰囲気・人間関係」、「賃金・労働条件が合わない」、「仕事内容が合わない」という理由は、障がい者だけではなく一般的に離職理由の上位に上がってくるものです。

これは、障がい者はそれぞれの障がい特性に合わせた配慮が必要という以外は、仕事に対しての要望は他の労働者と変わらないということが言えます。


定着率を上げるためのポイント


支援機関との連携

定着率を上げていく上で、支援機関との連携は必須です。

例えば、ハローワークは障がい者雇用枠で中心的な働きをする公的機関ですが、求人を出すだけではなく、必要な配慮、その他の障がい者雇用のノウハウ等について採用後の定着についても相談できる機関です。

また、独立行政法人高齢者・障害者雇用支援機構が設置・運営する障害者職業センターは、ハローワークと密接な連携を取り、障がい者の就労のサポートをします。

具体的には職場適応援助者(ジョブコーチ)の派遣や、企業への相談・援助を行なうなど、きめ細やかなサポートをしてくれます。

障害者就業・生活支援センターは、障がい者の就労・生活面全般においての相談機関ですが、職場定着等に関して事業所の相談支援も行なってくれます。

自社だけで全て行うとするのではなく、公的機関をうまく活用し、より良い環境を作っていくことをお勧めします。


障がい者の志向も考慮する

障がい者も障がいがあるということ以外は他の社員と変わりません。
当然、働く目的、ゴールは人それぞれです。

その働く目的は社会の中での居場所づくりであったり、他者との交流であったり、必要最低限の収入が得られることだったりします。
その場合、会社の雰囲気や居心地の良さ、障がいへの十分な配慮などがあれば定着は可能となります。

一方で、働く側のゴールはもっと高い所にある場合もあります。
それは自分の存在や価値を認められたい、正しい評価を受け適切な職務、職位、より良い給料をもらいたいというゴールです。
入社時からそういう高い志向を持つ人もいますし、仕事に慣れて段階的に目標を上げていく人もいます。

それぞれの目標に対して、雇用する側もそれぞれの社員に合った対応や処遇を考える必要があるのです。


まとめ

離職の要素は上記でお伝えした通り様々ありますが、その理由がわかっていれば、適切な対策を立てることはできます。

障がい者の離職が多いのか、統計的な分析をおこない、具体的な方策を取ることは、会社と働く意欲のある障がい者の双方に利益をもたらします。

解決策がわからないときは、無理に自分たちだけで実施しようとするのではなく、公的機関に頼ったりするなどしていくのがおすすめです。


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