障がいをお持ちの方の採用について
障がい者の採用といっても、その手法はさまざまです。
また、実際の採用活動を始める前に決めておかなければいけないこともいくつかありますので、その辺りをわかりやすくご紹介します。
採用計画を立てる
採用活動を始める前に、採用計画を立てておく必要があります。
障がい者の採用も、基本的な考え方は一般雇用の場合と同じですが、
特に留意すべきポイントとして、以下の4点があります。
・何人採用するのか?
・どんな業務をやってもらうのか?
・雇用形態はどうする?
・配属先などは?
何人採用するのか?
障がい者雇用の場合、「身体障がい」「知的障がい」「精神障がい」といった種別や
個々の特性、能力により「どのような業務に従事できるのか」が異なります。
そのため、そうした個々の障がいや特性に応じて「どの職種にどの障がい者を何名採用しよう」というおおよその採用計画を立てましょう。
ただ、一度に何人もまとめて採用するとなると、応募者集めや受け入れ態勢の整備が難しくなりますので、
企業全体で策定している3ヶ年~5ヶ年の長期採用計画の一環として、障がい者の採用計画も長期的な視点で考えられると良いでしょう。
どんな業務をやってもらうのか?
障がい者雇用の場合、法定雇用率がまず先に立ってしまうので、人数重視の採用となることが多々あります。
人数重視の採用の場合、「業務と特性がマッチしない」「障がい者が担う業務がない」といった問題が生じ、雇用後に休職や早期離職につながることが少なくありません。
定着や活躍を図るためには、障がい者が担う業務の「切り出し」をしておく必要があります。
一般雇用の場合と同じく、担当してもらう業務を先に決めた上で、「その業務に従事できるのはどのような人材か」という人材要件を、障がい特性や志向、必要な能力・提供可能な配慮、といった観点から検討し、決めましょう。
障がい者が担当する業務は、「一定以上の難易度・負荷があり、経験や判断、関係者との密なコミュニケーションなどが求められるレベルの業務」と「難易度が低く業務負
荷の少ない、定型反復作業やアシスタント業務」に分けることができるでしょう。
後者については、配属部署によっては十分な業務量がないことも考えられます。業務量が足りない・業務そのものがない場合には、「新たに業務を創出する」または「既存の業務から切り出す」ことが必要です。
業務を創出・切り出す際には、
「ヒアリングによる配属先の選定」
↓
「配属先で行っている業務の洗い出し」
↓
「業務の見える化による精査」
など、段階を追って進めていきます。
雇用形態や配属先は?
企業が実際に障がい者を雇用している割合である「実雇用率」にカウントするためには、障がい者を常用雇用していることが条件となります。
対象となるのは、雇用期間の定めがない「正社員」などの労働者の他、「1年以上の雇用が見込まれる」雇用期間に定めがある「契約社員」「嘱託社員」などです。
週の所定労働時間が30時間以上の場合は「常用労働者」、20時間以上30時間未満の場合は「短時間労働者」としてカウントしますが、20時間未満のアルバイト・パートの場合にはカウントに含まれません。
この他、オフィスでの勤務が困難な障がい者が自宅などで作業を行う「在宅勤務者」、ハローワークの紹介を受けた障がい者を一定期間試行雇用し業務適性の有無などを判断する「トライアル雇用」などの雇用形態があります。
いずれの雇用形態でも、一定の条件を満たしている場合には、実雇用率の計算に含めることができます。
主な採用方法
① 就労移行支援事業所や特別支援学校からの応募
「就労移行支援事業所」は障がい者が働くにあたっての基本的なトレーニングを受ける施設(国の社会制度)、「特別支援学校」は心身に障がいのある子どもが通う学校です。
トレーニングをうけている応募者、また状況を把握されている支援員がいることがメリットです。
これからの機関から応募者を選出していただけます。
② ハローワークで求人を出す
就職を希望する障がい者の求職登録を行い、専門職員や職業相談員がケースワーク方式により障がいの種類
・程度に応じたきめ細かな職業相談・紹介、職場定着指導等を実施していただけます。
(出典:「障がい者の方への施策」厚生労働省)
③自社サイトで求人を出す
自社サイトに「障がい者採用ページ」等を作成し、募集を募ります。自社で作成すれば、コストはかかりません。
④ 就職イベント(ハローワークや民間)への参加
障がい者向けの就職フェアや合同企業説明会に参加することもできます。
多くの障がい者に直接会って、採用を進められます。
⑤ 障がい者向けの人材紹介・代行会社を活用する
障がい者採用に特化した人材紹介・代行会社等をを利用することで採用を進められます。
採用活動の注意点について助言を求めることや一部運用を任せことで効率的に採用を進められるなどのメリットがあります。
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