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ナチュラルサポートはなぜ必要か

障がい者を受け入れていくには、職場環境にあるサポート体制が重要です。
今回はその中でもナチュラルサポートについてお話しします。

ナチュラルサポートとは?

ナチュラルサポートとは、障がいをお持ちの方が働いている職場の一般従業員(上司や同僚など)が、
職場内において(通勤は含む)、障がいをお持ちの方が働き続けるために必要なさまざまな援助を、
自然もしくは計画的に提供することを意味します。

これには職務遂行に関わる援助の他に、昼食や休憩時間の社会的行動に関する援助、対人関係の調整なども含まれます。

ナチュラルサポートは、なぜ必要なのか?

仮に、障がい者の就職や、職場定着に必要なサポートをジョブコートなどの
就労支援者がすべて行った場合、

・障がい者や、事業所からのジョブコーチへの依存が強くなってしまう。
ジョブコーチの職場からの撤退が困難になる。
・ジョブコーチが多くの事例を支援しようとすると、無理に職場から撤退して多くの事例を支援しようとすることになるため、
個々の事例に対して十分なフォロー体制が築けなくなる。

などの問題点があげられます。


自発的サポートと計画的サポート

自発的サポート
任意の場面で一般従業員から自発的に提供されるサポートのこと。
手助けする、教える、支持するなどの直接的なサポートと、褒める、励ます、微笑むなどの心理的サポートに分けることができる。
障がいのある人とない人との日常的なかかわりの中で提供されるもので、最も利用的なサポートといえる。
しかし、日々の従業員の動き、仕事の忙しさ、必要なサポートの頻度、
職場の順位きなどによって左右されるなど、時には必要なサポートが得られるとは限らないことが懸念点である。
計画的サポート
ジョブコーチなどの支援者が事前に打ち合わせを行い、決められたタイミング・内容で一般従業員がサポートを提供すること。
サポートが自発的に発生するわけではないが、ジョブコーチ以外の人的資源を活用したサポートでナチュラルサポートに含まれる。
援助が必要なポイントを明確にし、約束に基づいて隔日にサポートが提供されるので、
人員配置、仕事の忙しさなどの変動要素にも影響を受けにくい。
就労継続に必要なサポートを安定して確保できるのが利点である。

まとめ

ジョブコーチは障がいのある人の援助に熱心なあまり、援助を一身に担いすぎたり、
障がいのある人に過保護だったりしてしまうことがあります。
また、直接介入の専門性を強調しすぎると、一般従業員が当たり前にかかわれることまで
サポートしなければいけないという錯覚に陥ってしまうこともあります。

訓練によって伸ばせる自立度と、ナチュラルサポートのバランスを見極めながら、サポートを進めていくことが、
障がいある人にも長く続けていただくための重要なカギとなってきます。



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