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005. 雪村いづみ+キャラメル・ママ「スーパー・ジェネレイション」


雪村いづみ+キャラメル・ママ「スーパー・ジェネレイション」

この文章を書いている2024年1月、朝ドラの「ブギウギ」を初回から毎日見ています。ドラマが素晴らしいのは言うまでもありませんが、そこに流れる服部良一メロディーが重要かつ楽しみの一つになっています。そんな服部メロディーを使ったこのアルバムを連想してしまうのです。

今回紹介するアルバム「スーパー・ジェネレイション」は当時平均年齢24.7歳の音楽集団キャラメル・ママが大物歌手である雪村いづみさんを迎えて、服部メロディーのカヴァーを作り上げました。細野晴臣・松任谷正隆らといった、後に日本を代表する存在になったミュージシャンが服部メロディーに真っ向から挑んだ、素敵なアルバムに仕上がっています。

フロントマンの細野さんは、このアルバムについて「必死だった」と語っていたそうですが、そんなことを微塵も感じさせない超モダンな仕上がりになっています。躍動感や情緒のある緻密なリズムトラックを受けて、ホーンやストリングスを重ねる服部克久さん(良一さんのご長男)もノリにノっています。
村井邦彦さんがアレンジしてキャラメル・ママが演奏する、ワクワクするインスト01.でアルバムは始まります。服部良一さんがこのアルバムのために書き下ろした美しいバラード02.の後は、リズムとタイミングが痛快な03.と柔らかくも胸が苦しくなりそうな世界観を醸し出す04.。ダンスの要素を取り除いたらかえってモダンになった05.とピアノとホーンが冴え渡る06.と続きます。とにかく美しくて、やるせないバラード07.に抒情的的な香りがする08.はスロウなのも聴きどころ。あまりにも壮大なバラードに仕上がった09.に心がまたウキウキしてくる10.の後は、淡谷のり子の代表曲11.はリマスター時に追加されたボーナストラック。ただ、後年のレコーディングでキャラメル・ママは参加していないので雰囲気が違っています。

リマスター盤を手に取ることが出来ましたら、ぜひ雪村いづみさんと服部良一さんのライナーを読んで頂きたく思います。アレンジやレコーディング風景、何より二人がこのアルバムを気に入っているという事実。これを読んだら、よりこの世界に深くハマることでしょう。

01.序曲(香港夜曲)
02.昔のあなた
03.ヘイヘイブギー
04.バラのルムバ
05.銀座カンカン娘
06.東京ブギウギ
07.胸の振り子
08.一杯のコーヒーから
09.蘇州夜曲
10.東京の屋根の下
11.別れのブルース

雪村いづみ(Vo)
キャラメル・ママ 
鈴木茂(G) 細野晴臣(B) 松任谷正隆(Key) 林立夫(Ds)

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#スーパージェネレイション

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