手に爪を立てた祖父と孫。会話がほとんど成り立たなかった二人だが、別の時間、別の空間でつながっていた。
聾学校後輩のK君は、いつも、両腕をぶらぶらさせて飛び跳ねるようにして歩いていた。自閉症と聴覚障害の重複だった。
自分自身が障害をもっているという意識があまりなかったため、「ちょうふく」とは、何と何の重複なのかも考えたことがなかった。また「じへいしょう」とは聞いていたが、自閉症がどういうものなのかも知識として全く持っていなかった。
K君は1人だけの「重複学級」だった。
時々教室をのぞいてみてみると、K君は、よくオレンジ色の大きなお皿みたいなものに乗っていた。それは、おきあが