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#一般学校で学ぶ
「障害を乗り越えて」なんかいなかった。乗り越えたいとも乗り越えようとも思っていなかったが、みんな私を、おいてけぼりにしていった。
私が聾学校中学部から地域の一般高校に入学したのは、当時珍しいことだった。何しろ、新聞に載ったのだから。いまから20数年前の話である。 聾学校に新聞記者がきて校長室で取材を受けた。同席したのは、担任の先生と校長先生。 校長室のソファに初めて座った。初めての座り心地を堪能する間もなく、取材が始まった。記者が私に何かを言った。口は見ていたが、読み取れずまったく分からなかった。そっと周りを見回したが誰も私に教えてくれる雰囲気はなかった。質問の内容を予想し、回答しはじめた。すると隣
聾学校から一般学校に入って、他者のまなざしを恐怖と感じるようになった。私は自身を守るため、他者を遮断するトイレ個室に避難した。
高校に入って、お昼ご飯はお弁当になった。 入学してすぐの、とりあえず入った女子生徒グループで、机を丸く並べて一緒に弁当を食べた。 当然ながら会話には入れない。ついていけない。入ろうと試みたこともあったが失敗に終わった。 私はそのグループにいながら、1人でご飯を食べているのと同じだった。私はグループの誰よりも一番早く、先に弁当を食べ終えた。そして、頃合いをみて自席に戻った。その頃合いのタイミングはだんだん短くなっていき、最終的には、最初からグループに入らず自席で1人で弁当を食