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新型コロナmyノート➄『2月からの意思決定の推移。自粛の先の出口はどうなるのか?』

2020年2月より一事業者として運営に関する意思決定をするにあたり新型コロナウイルスについて学んできたことや考えてきたことを、「新型コロナmyノート」に記録しています。

注:私は感染症の専門家ではないので、専門的な内容については、ご自身でも事実確認・検証を行ったうえでご判断いただけましたら幸いです。

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■ 当該事業の意思決定の推移(2月中旬から4月上旬)

● 2月の時点での考え
都内で感染者が増え始めた時期でした。当時は、ここで対策を講じればウイルスの封じ込めが間に合うのではないかと、しかし対策をしなければ武漢のようになってしまうのではないかという危機感も同時に抱きました。予測が難しかったが専門家(医師)にも相談し国内外の情報を収集し、武漢での感染者数増加の事例から3月に感染爆発が起こる可能性も考え、念のためスクールを一時休講。

● 3月の時点での考え
2月の時点で、対策をしなければ、都内も感染爆発・医療崩壊が起こるのではないかと予測したが、幸いにも予測が外れた。3月下旬まで、自分の身近でも感染者が出ておらず予想していたよりも落ち着いた状況で感染を抑えられている様子。

日本人の防疫意識により感染拡大を抑えられているのではないかという説が出始める。しかし、検査数が充分ではないため実態はわからないままではある、気が抜けない状況。そして3/23より防疫対策を講じてスクール再開。

3月25日頃から都内の感染者数(検査で確認されている人数)が急増した。東京都から三月末の土日の外出自粛要請が出たため、スクールも休講。

● 4月現在
4月に入り、日増しに感染者数が増加傾向。4月4日の時点で4月25日までの施設クローズ・理論オンラインを決定。4月7日の政府による緊急事態宣言を受け、緊急事態宣言期間である5月6日まで施設クローズ期間延長を決定。

■ 自粛の先の出口はどうなるのか?

2月の時点では、個人的には封じ込めを希望していましたが、政府の感染予防対策は「封じ込め」ではなく「ピークカットによる集団免疫」(会見では“集団免疫”とは直接は仰っていないものの、封じ込められなければ、ワクチン/薬ができるまでは集団免疫に頼るしかないのが現実)。

また、ここまで世界中に感染が拡がった段階では、ロックダウンしたところで、SARSとCOVID-19の疫学的違いからも感染者をゼロにすることが現時点では難しいことが予測できるのではないかと思います。

▼SARSとCOVID-19の疫学的違い
「COVID-19への対策の概念」新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部クラスター対策班|東北大学大学院医学系研究科・押谷仁先生作成PDF
https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf

今現在、厳格なロックダウンを行って2か月以上が経過した武漢ですら未だに感染者が発生している状況です。

また、ロックダウンを早期に行い感染者が減少してきたイタリアでは、以下のようなロックダウン解除の圧力が出始めています。

》ロイター|焦点:イタリア企業もう限界、高まる「コロナ封鎖」解除の圧力(2020年4月10日 / 14:41)

集団免疫は一定数の犠牲者が出てしまう非常に苦しいものですから、今の国際社会では人道的に受容されにくい考え方です。

しかし、治療法(ワクチンや抗ウイルス薬)が確立されるのはいつになるかわかりません。12~18か月はかかるといわれていますが、その時に確実に完成していると言い切ることはできません。そもそもワクチンや治療法が確立されているインフルエンザのほうがコロナウイルスよりも死者数が数倍多いのです。

2019年11月末に中国で新型コロナウイルスが発生してからも中国から日本に沢山の方が渡航されていました。それにも関わらずインフルエンザや肺炎球菌よりも被害(重傷者/死者)が少ないコロナウイルスを何故ここまで恐れるのか?ということについて論理的に納得がいく説明がメディアでもされていないのが現状です。

そうなると現実的には、私たちはどこかのタイミングで新型ウイルスの存在を受容し、社会をまわしていかなければいけなくなるのではないかと思います。

※8/24追記
強硬なロックダウンを行ったニュージーランドは5月頃に封じ込めに成功したのではと言われていましたが、8月に陽性者が確認されました。当初は厳格なロックダウンが称賛されていましたが、そもそも感染力が強い(=致死率も低い)ウイルスを封じ込めることは無理であった。むしろロックダウンすることで第二波に逆に弱くなるのではないか等、別の考え方への支持も増えてきています。2〜4月と数ヶ月の臨床/統計が出て既に未知のウイルスではなくなってきた今、より社会全体のバランスを考えた対策求められる昨今です。

■ ゼロリスクはない

生きている限り、*ゼロリスクはありません。新型ウイルス以外でも、別の感染病や病気にかかったり、交通事故に会う可能性もゼロではありません。

もし全てのリスクを避けようと思ったら家に引き籠るしかなくなってしまいます。かわりに人間らしい生活を放棄することになります。もちろん、新型ウイルス感染爆発による医療崩壊リスクがある期間は誰もが人との接触を自粛をして家に籠る必要があります。

しかし、世の中の多くの人がウイルス感染リスクにフォーカスした生活をする期間が延びれば延びるほど経済的なダメージも甚大になり、今度は経済事情による死者が増えるリスクが増大します(特に日本は経済事情による自殺が多い国です)。

故に、一定期間の自粛生活を終えた後に、治療法が確立されるまでに私たちができることは、防疫対策を講じた普段通りの生活であると考えます。

そして、今できる最大限のことは、高齢者や病弱者の方を感染リスクから出来る限り隔離することなのではないかと考えます。

*ゼロリスクについて

“一つのリスクを減らすと別のリスクが増えるというリスクトレードオフは、日常概念となりつつある”
世の中、何をどうやってもリスクがゼロになることはありませんし、副作用のない対処も存在しません。したがって、現実には必ずどこかでリスクを比較して、どちらかましな方を選択することを迫られます。

》イミダス - ゼロリスク | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas

■ 今後も新型ウイルスは登場する

これから先も新型のウイルスがでてくることを予想するのは容易でありますが、そうなったときに、また大規模なロックダウンをするのでしょうか?未来にことは誰にもわかりませんが、一つ言えることは、今回のパンデミック体験が次の新型ウイルス発生時に活かされ、今よりもスムーズな対応が行われるということです。実際に、2015年にMARS(中東呼吸器症候群)の流行を経験している韓国は、今回の新型ウイルス対策で大規模なロックダウンをせずに上手く対応している国として諸外国から評価されています。

》現代ビジネス|新型コロナ対策でズバ抜けた成果を出す「韓国モデル」の正体(2020.4.11)

今回のパンデミックは、現代を生きる全ての人達にとって初めての体験です。わからないことが多い中で、学問やデータや感染拡大が早期に起こった地域の前例を参照しながら、その国の様々な事情(法律・財政状況など)を鑑みた最大公約数を探っている状況なのかなと思います。

ある側面にフォーカスしたら良い対策も、別の側面から見たらデメリットになることもあるでしょう。事情・立場の違いでも考え方が変わってくるのではないかと思います。

しかし、人類はこれまでも、ペストやスペイン風邪などの感染症と戦ってきました。そして集団免疫やワクチン/治療薬の開発により克服してきました。今回の新型ウイルスも人類の叡智によって克服していけると信じています。

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