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自分にも相手にも優しい概念=ダイバーシティ&インクルージョン

先月のTRTAは、ボディー技術講座(スウェディッシュマッサージ/ディープティシュ―テクニックス/ヘッドマッサージ)に加えて、実務系科目の一つであるダイバーシティ(多様性)のクラスが開催されました。

今回のnoteでは、私が担当させていただいたクラス:ダイバーシティの授業内容や気づきをシェアさせていただきたいと思います。

●ダイバーシティ(多様性)への認識

ここ10年ほど、日本社会でもダイバーシティの重要性がいわれるようになってきましたが、実際はその認識がボヤっとしていたり、知っているけれど実践に落とし込めていない、という状況も少なくありません。

国や企業・組織におけるダイバーシティとは、ライフスタイル・宗教・価値観・性別・物の見方・分析の仕方...などの違いがある人々がそのコミュニティに存在することを意味します。

日本国内におけるダイバーシティの実践はまだ黎明期で、どこの企業も思考錯誤しながら実践している状況なのではないかと思います。

実際に参加した受講生にダイバーシティの認識について話を聞いてみると、所属している企業で「ダイバーシティ研修」などが取り入れられている受講生は認識がありましたが、そうでない受講生は「聞いたことはあるけど、よくわからない」「なんとなくイメージはあるがボヤッとしている」という状況でした。

今回の授業では、「ダイバーシティの概念の理解」と「私たちが一社会人として、マッサージセラピストとして、このダイバーシティをどのように実践していくか」を中心に、座学とディスカッションを行いました。

●ダイバーシティ&インクルージョンは優しい概念

ダイバーシティ&インクルージョンとは、多様性を包含した状態を言います(国や企業でいうと、多様な個性を包含している状態)。

ダイバーシティの概念が浸透していなかった時代は、多数派から外れた個性が排除されがちでした。

価値観や生き方まで「普通」という型があり、それとは違う価値観や生き方をしている人は「変わってる」と批評されましたが、多様性の時代は(人に迷惑/害を与えるものは除いて)全ての個性が尊重される時代。ダイバーシティは優しい概念であるといえると思います。

多様性の概念を理解して実践できると、自分にも他人にも寛容になれて、精神的にも自由でいられます。

「寛容」というと何でも許すというようなニュアンスにも捉えられますが、 どちらかというと、「自分もOK、あなたもOK」「自分に対しても責めない、相手に対しても責めない」というニュアンスで私は解釈してます。

●ダイバーシティ実践:私たち日本人に必要なマインドセット

こちらの動画は、ダイバーシティの授業リソースを検索していて出会いました。
アメリカ在住20年以上在住している日本人の方の動画です<チャンネル名:みえるホンシツ(外からみた日本-徳の循環)>。

ダイバーシティに関する有意義な内容を沢山アップしてくださっています。特に、こちらの動画「社会検閲には社会検閲で対抗!」は日本人がダイバーシティ実践のために気を付けたいことをズバリ指摘してくださっています。
動画の要旨は日本社会に根付いた他人への干渉です。私にとっては非常に刺さる動画でした(受け入れる、受け入れないも個人の自由=ダイバーシティです)。

●NO INTERFERENCE , NO JUDGEMENT(干渉せず、批判せず)

= 相手に干渉しなければ、相手を批判しない状態(ノージャッジメント)でいられる

ダイバーシティの実践において、必要なマインドセットの一つに「ノージャッジメント:NO JUDGEMENT」つまり「相手を批判/批評しない」がありますが、相手の価値観・嗜好・考え方を干渉せずに放っておけば、相手をジャッジすることもなくなります。「そういう考え方もあるんですね」で終わり、それ以上は相手に入り込まないとうイメージです。

人間誰しも完璧に実践することは難しいですが(神ではないので)、日常から意識して心がけることで、自分も他人もより心地よい状態でいられるのではないかと思います。

人を批評するという行為は、ブーメランのように自分にも返ってくるので、知らず知らずのうちに自分の自由も制限されていることになります。

例えば、自己責任で何かにチャレンジして失敗したとしても、それについて干渉されない状態であれば、アレコレ批判/批評されたり馬鹿にされたりすることがありません。

ジャッジメンタルな社会は人々を萎縮させます。「これやりたいな。でも、こんなことしたら馬鹿にされるかな」という心理状態になるなど、自由や可能性がどんどん狭められてしまいます。

●良い干渉・悪い干渉

先の動画でも、日本社会は他人に対する干渉が強いということが言われておりました。私は「干渉」には「良い干渉」と「悪い干渉」があると思っています。

「良い干渉」=相手を思いやって気遣う愛情から生まれた行為
相手にとって負担がなければOKなのかなと思います(相手にストレスや不快感を与えるものはNGと思います)。

「悪い干渉」=相手の嗜好/価値観/考え方を口に出して批判/批評する
(思うのは自由ですが、それを口に出すことは相手の思想に対する干渉行為になります)

良い干渉と悪い干渉の違いは、一言でいうと、「相手への思いやり・愛情」から生まれているか否かです。

日本社会(特に地方コミュニティ等)は、ご近所さんへの思いやりから干渉的になることがあると思います。そういった干渉については、双方でコミュニケーションをとってお互いが負担にならない距離感を見つけていけば良いのではないかと思います。これは境界線(バウンダリー)の概念も関連してきます。

●授業を終えて

ダイバーシティの授業は、授業をファシリテートさせていただく側も毎回新しい気づきや学びがあります。

今回もディスカッションから派生して、日本の歴史や教育、文化、道徳、民主主義、ポリティカルコレクトレスなどにも触れることができ、受講生も私も視野が拡がっていくことを実感され、非常に有意義でした。

私個人で感じている課題は、もっと上手くディスカッションをファシリテートできるようになることです。より良い授業の実施に向けてPDCAを回し続けていきたいと思います。


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