見出し画像

【運動誘発性貧血】ランナーの貧血について考える|ヘプシジンなど

どうも、さかもとです。
今回は、貧血についてです。

ランナー(特に女性ランナー)において、貧血で悩まれる選手も多いですよね。私が関わる選手においても、貧血症状で悩む選手も少なからずおります。

ということで、貧血について勉強していますので、自分の勉強も兼ねてまとめていきます。

キーワードは 運動誘発性貧血ヘプシジン、IL-6 です。

運動誘発性貧血とは?


スポーツ貧血とも言われ、低栄養状態での激しい運動が要因とも言われるが、まだまだわかっていないことも多いよう。最近では、低栄養でなくても連続高強度運動負荷時において発生する可能性も報告されている。

ヘプシジンとは?

ヘプシジンは、ペプチドホルモン(血流へ分泌され、内分泌機能を持っているペプチド)です。主な役割は、鉄の調整です。
吸収鉄量などの変動で刺激され、血清鉄濃度の恒常性を保つように、また体が鉄過剰に陥らないように作用しています。

IL-6とは?

IL-6(インターロイキン6)とは、サイトカインと呼ばれる物質の一種で、免疫応答や炎症反応の調節において重要な役割を果たしています。役割は生体の恒常性の維持です。

運動誘発性貧血とヘプシジン,IL-6の関係

では、この2つがどのように関係しているのか。
持久力トレーニング後に、ヘプシジンが増加するようです。
ヘプシジンの増加量は、運動量(時間)の増加に関係するようです。
またその増加量は、運動3時間後に急上昇し、通常では24時間以内に元の数値まで戻るとされます。
ヘプシジンの増加により、運動後の食事において腸内での食事による鉄の吸収が減弱し、鉄代謝に強い影響を与える可能性があります。
結果として、運動誘発性貧血のリスクが増加するのではないかと、考えられています。
そして、そのヘプシジンが増加する前(運動直後)に、IL-6が大幅に増加することがわかっており、これがヘプシジンの産生を刺激するようです。

さらに覚えておきたいのが、筋グリコーゲン枯渇との関係です。
炭水化物摂取量の減少による筋グリコーゲン含有量の減少は、運動誘発性の IL-6 上昇を促進するとされます。
低糖状態には、貧血という観点からも注意が必要です。

2部練は気をつけないといけない!?

よくおこなれている2部練習においても、貧血への注意が必要かもしれません。女性長距離ランナーの 1 日 2 回の持久運動と血清ヘプシジンの反応を調べた研究では、1 日 2 回の持久力運動により、24時間以降もまで血清ヘプシジンレベルがベースラインよりも高いままであったと報告されています。

特に、低栄養状態の選手においては、運動量の増加前に栄養状態の改善に着手した方がいいでしょう。

怪我中に気をつけたいこと

「怪我をして走れない」そうなるとなんとかして運動量を担保したいと思います。そこで手っ取り早いのが、バイクです。
「走れない分、バイクするぞ!」と、長時間のバイクを行う選手も多いはず。(私はお尻が痛くなり、長時間できませんが)
これも、前述の観点からは考えものですよね。
また、怪我中は体重の増加も気になるところ・・・
「食事量を減らして体重コントロール」なんて選手も多いですよね。
そうなると、栄養不足が起こる可能性があり、貧血のリスクを高めてしまう可能性もあります。
バイクだけでなく、筋力トレーニングと食事、睡眠を合わせて、怪我期間を乗り越えたいですね。

参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?