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60歳の誓い

社会人としては全く無能でした。だから、あまりえらくなれなかった。できないことができない。どうしてもできない。もう諦めて、やれることだけやった。でも、そのやれることがあまり評価制度の対象でなかった。そのまま、ついに卒業の時期がきてしまった。

だから反省してるし後悔もしてる。もっと他に道があったんじゃないかと。でも遡ってやり直しはできない。もう忘れるしかないのだ。ぼくにとって不幸なのは、早く妻を亡くしてしまったことだ。原因がわからないが、ぼくの人生が順風満帆で楽しく豊かなものだったら、彼女はもっと生きることができたんじゃないか。そう思うと辛い。

彼女のために、何が何でも努力して、他人を出し抜いて仕事しなければならなかったが、前述の通り、どれほど努力してもうまくいかなかった。途中から諦めてしまっていた。うまくいかないのは生まれ育ちに影響してると思わざるをえなかった。他人と同じことができない。だれでもできることができない。できないことはできません。

60歳になった。もう長かった社会人生活ともお別れだ。これからは、思い出を作りたい。一方で、もう一回、自分にチャレンジしたい。別の切り口で。他の人と同じことができないと書いたが、もしかしたら、自分にしかできないこともある気がする。実際はないとしても、そう思うほうが楽しいはずだから。

バリにて

2024年2月29日

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