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障害児の親 思考のアップデートは難しい?

新型コロナの影響で、すっかり生活パターンが変わってしまったもののひとつとして、面会。
施設入所中のお姫様(娘)とは2週間に1回、パーテーション越しに15分だけ、面会が許されている。抱っこもしてあげたいのに…

リハビリの一環として、毎年1回、館内併設されている室内プールに入ることができる。

コロナ前までは、唯一のチャンスと思い、家族全員で楽しんでいた。
家族で海へ!なんてできない私達。40キロある王子様2号(次男)を、この時とばかりに、セラピストさんにお願いして、プールに浮かせてもらう。
王子様1号(長男)も思春期真っ只中なのに、付き合ってくれていた。

そんな事ができていた つい2年前がまるで昭和のように遠く思われる…
今年は、プールの外からお姫様とセラピストがプールに入っているのを見学するのみ。
スイミングスクールの見学保護者のような状態。


そこへ、別のご家族が見学にやって来られた。
おそらく70前後のご夫婦。
入所されているご家族は40代くらいかな…
主に父親と、この日プール介助にはいっていないセラピストさんが、
なにやら話し込んでいる。どうやら姿勢保持のこと?みたい。
セラピスト「最近、動きが激しい時も多く、ベットから転落しないか心配で、あれこれ試しています。」みたいな…
父親「まぁ、よぉ動くって事は、元気なんやな。」
セラピスト「そうですね!お元気なのは良いのですが」
父親「元気やったらええよ!多少 怪我しても怒らへん!なんやったら、落ちて、ほね折れたかって、ワシはかまへん!文句言わへんから!エエようにしたって。」

!!!!Σ(゚д゚lll)
私、思わず 振り返りしましたわ。

なんて事を…
「ワシ」は良くても…
いや、「ワシ」が許すものでもないやん。

なんて発言。
もちろん、本気ではないと思いますが、
そーゆーコトをヘラヘラと笑って言うから、
虐待についてのハードルが下がるやん!
都合の良いバイアスかけられるやん!
なんで、一緒に 問題となる姿勢について考えないんだろう…
きっとセラピストだって、何かヒントがほしくて話しているはずなのに。
怪我してもいいよって、免責もらうために話しているんじゃないよね。(そう信じてる)

案の定、セラピスト困ってた…けど、困りながらも、なんでかしら
「お気遣いありがとうございます。いや、そのような事は無いようにしますので。」って。

そこは、セラピスト側から言ってほしかったなー…
「お父様、怪我するのはご本人さんなので、それは、虐待になります。」って。

無理か…言えないかぁ…(¬_¬)

もちろん、側で聞いていた私も言えないけどね。
「オマエが介護されても同じ事言えるんかい!」
あくまでも心の中で、最大音量のツッコミ、そして、渾身の軽蔑の眼差しを送ったけど…
そんな事を、さらっと、言える人には届かないよな。

ふと、母親の方を見ると、薄笑いと言うか、特別何も無い平和な表情で、その会話の様子を眺めてはりました。

眺めながら思ったのです。昭和のご夫婦と障害のある子ども…
平成・令和の私とは比較にならないほど、物理的に不便で、精神的に辛い
理不尽な経験をされて、何十年と頭を下げて過ごしてきたんだろう…。
周りの友達や知り合いは、子育てなんてとっくに終わって、孫や趣味の中でゆったりと過ごしているかもしれないのに。
そりゃ、そうなるか…
法律や制度、世論が新しくなっても、当事者とその家族の思考の
アップデートは、なかなか根深くて難しいのかな…私も歳をとったら…

いや!違う!私じゃないもん。今考えてるのは、プリンセスの人生だもん!
そんな理不尽な声があったからこそ、世の中はアップデートされてきたはず。それを、活かさないと意味ないし。口コミいれないと、さらにアップデートできないし。

プールにいるプリンセスに視線を戻すと、満面の笑みでプカプカ。イケメンセラピストを侍らせて楽しんでいました。
人生を謳歌しすぎて反省している私の娘が、今 人生を謳歌しています。
完全にアグリー!!!

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