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【北海道大会Best4】壺屋式フラッシュバッカーのすべて【#ビルディバイド】

だからさ、これからも見せてよ!

壺屋ちゃんのクソデッキ……壺っち・ざ・でっきを!

前書き

こんにちは、チーム「壺屋」所属のそぉいです。

今回はディバイドバトル3rdセッション北海道大会においてデッキシェアした【フラッシュバッカー】の調整録となります。

デッキリストは下記。1〜2枚ほど誤差はあります。

この基盤での今期の最終的な戦績は、
・CRAFT CROWN杯 Best4
・北海道Best8
・北海道4位
でした。

今回自分はDBそのものへは不参加でしたが、久しぶりに壺屋としてデッキ調整を行いチームデッキとして持ち込んだということで、あえて僕が筆を執っています。デッキへの理解度は北海道に遠征したメンバー3人(ぐちさん、夕食さん、あすさん)のほうが高いと思うので、今回はデッキ基盤の解説をメインに行っていきます。

補足:「壺屋」とは
ビルディバイドエンジョイクラブ。日夜そぉいがゴミみたいなデッキリストを持ち込んでは挙動がキモい時だけ大はしゃぎする変なコミュニティ。
過去には【3cダグラーク】【円環の理】【ディバイン多投メギドラグ】【竹槍イグドラ】【やさしい夢に包まれて】といった謎のデッキを制作し、結果が残るかどうかというギリギリのラインでだいたい死んでいる。

タイトルには「すべて」とついていますが、たぶんすべては解説されていません。全カード解説も載せていませんが、細かいカードの採用・不採用理由についてはTwitter(@Fai_ry_BIue)にご連絡いただければお答えしますのでお気軽にお寄せください。

フラッシュバッカーについて

【フラッシュバッカー】は、ぼっち・ざ・ろっくプレミアムブースターで登場した新たなデッキタイプです。新称号「STARRY」および新キーワード「結束」とシナジーする、横と縦両面の展開に優れたテリトリーが魅力。

【フラッシュバッカー】を選択する理由はいくつかありますが、最大の魅力は開放ターンのスイング(ゲームに与える影響度)が環境随一であるという点でしょう。開放時の2面展開+リソースアドバンテージの挙動が脅威であることはすでに【超越者の揺籠】【春光の音楽会】、また古くは【メギドラグ】【天空の城塞】などのデッキで証明されている通りで、このテリトリーもそれらの例に漏れず3期BD基準の展開力とマウント継続能力を有しています。

加えて、6エナジー下での挙動の強さも挙げられます。ブライト出身のカードは総じてカードをエナジーに置く際に「レストで」の4文字を書き忘れているため、6エナジー下でテリトリー効果を解決すると2エナジー浮いた状態で2面展開が成立し、ある程度の防御性能を兼ね備えた盤面が完成します。代償としてライフを失いますが、盤面に落ちてくるユニットはどれも放置できない性能で、ライフを守ることに十分貢献してくれます。

また、ゲームの展開がエースカードのみで成立しているため、エースの多投を肯定している、かつエース以外のカードをほぼ必要としないデッキ構造であることも魅力です。デッキ構造の段階から「デッキのフリースロットを広く用意できる」「マリガンに強い構造のデッキを作れる」という2点のメリットがあり、これらのメリットは相互に影響してデッキの基盤を強くしてくれます(攻めたマリガンを行える=フリースロットに投入したメタカードやフィニッシャーをあらかじめ探しておいてゲームを有利に進められる)。マリガンに強いことはすなわちトーナメント向きのデッキであることと直結しており、ディバイドバトルのような環境ではかなり意識したい事項です。

このように、ブライトテリトリーとは思えない柔軟性と火力を兼ね備えた新時代のデッキである、というのが我々の【フラッシュバッカー】に対する評価です。

壺屋式アプローチ

【フラッシュバッカー】というデッキ自体は先述の通りフリースロットが多くかなりいろいろなアプローチが可能なデッキですが、チームとしては初期からわりと一貫して以下の2点をテーマに基盤を組んでいました。

《ヴォルガネード》採用による横展開プランの重視

デッキのフリースロットが広いことと、テリトリー効果や《Distortion!!》効果によって余剰エナジーを作り出せることから《ヴォルガネード》との相性が非常に良いです。

《ヴォルガネード》自体のゲームを畳むアンフェアな性能もさることながら、《フラッシュバッカー》の「結束ユニットを踏み倒す」効果はSTARRYのエースでなくともエースカードをなんでも1体場に出していれば発動するため、《ヴォルガネード》から出したエースによって起動することが可能。そのためエナジーを残しながらの4〜6打点生成が容易で、攻防両方において起点となる1枚だと感じました。

北海道大会の前に開催されたCROFT CROWN杯という関東のイベントにおいても【フラッシュバッカー】は注目のテリトリーとなっていましたが、そこでいくらかミラーをやった結果、ミラーマッチではこのカードの有無が決着を分けると言ってよく、北海道でもほぼ同等のメタゲームになることが推測されたこともあり《ヴォルガネード》を抜く選択肢は(北海道大会においては)難しい、という判断に至りました。

赤黒2色基盤のタッチ「結束」採用

ざっくり使われているデッキリストは赤青黒を基盤にした構築が多いように感じましたが、今回は赤黒ベース(最終的には赤白黒タッチ青)で構築をまとめることを目標にしていました。

もともと《ヴォルガネード》を基盤に組み込んでいることから赤ベースになるのは確定でしたし、加えて今回は《悪霊退散》《百獣王の怒り》《呪術師の謀略》といった相性のいい2~3コスト帯のクイックコマンドを複数種・複数枚採用できる点も大きく、【フラッシュバッカー】にありがちな「序盤暇」を解決できるカラー構成のように感じたためです。

色を不用意に増やしすぎないことにより6~7エナジーの時間帯でもこれらのカードを構えやすくなる、というメリットもあります。

青は正直《カラカラ》以外強いカードはないと思っていて(せいぜい《キャピタルブレイカー》ぐらい)、《ヴォルガネード》展開のラグになる可能性もあるため今回の基盤では抑えめにするよう意識が傾いていました。より正確に表現するなら、まず最初に赤白黒基盤が完成して、後から《カラカラ》だけがタッチされた、という感じです。青を割り切ることによって高い火力と安定性を両立できているように思います。

なお、《カラカラ》だけは別格です。こいつは一人で《アイオラ》+《新兵器開発》できるカードであり、ただでさえ途切れないリソースをさらに潤沢にしてくれます。デッキの中身が「土地」「フィニッシャー」「クイック」の3つに綺麗にセパレートされていて役割を跨ぐカードが存在しないため、手札に足りていないパーツを探しに行くためのスカウトも非常に強力です。

北海道環境のメタゲームを考慮した結果最終的に「赤黒白t青ヴォルガネード基盤」がもっともデッキパワーが高いという結論になり、今回のリストが完成しています。

ショット枚数

今回、ショットの枚数を8枚にしてデッキを完成させています。

壺屋はショットを減らすことに対して激しく肯定的なチームです。嘘です。僕がショットを減らした構築が好きなだけです。

ということで抜けました。

後述する《嵬羅》の効果を起動しづらくなることだけが問題点なのですが、

  • 《百獣王の怒り》や追加のエースといったアイコンの無いカードが強力に使えるデッキであること

  • 自傷テリトリーなのでそもそもデッキ単位でショットを踏ませる確率が減っている(バスターを踏ませる確率も減っているし、ボードの取り合いになるターンではこちら側が必ず2アクション以上あるのでほぼ損しない)こと

  • デッキの生物比率を高めることによって《Distortion》開放の実質的バリューを上げることができること

の3点を考慮した結果、ショットを抜くデメリットをユーティリティを増やすメリットが大きく上回っていると判断し今回はショットを減らすことにしました。

有効ショットが少ない代わりにデッキパワーが高まっているデッキとしては過去にも【焼炙の門】【メギドラグ】などが存在しており、ショットが少ないことに対する抵抗感は実はそんなに無いですし、使用頻度の低いカードは入れないほうがデッキパワーが上がるので、今回は肉で解決することにしています。代わりにデッキ枚数は50枚になっており、これによって実質ライフ枚数のかさましを行っています。

結果として上位に残った【フラッシュバッカー】はショット枠を削っていたので、この調整は成功だったようです。

想定対面への立ち回り

春光の音楽会(カタリナ)

キーカード:《審査する者 伊地知星歌&PAさん》

現環境最強アグロデッキです。ミッドレンジもあるし除去コントロールプランもある息の長いデッキ。カタリナに対して主張のないデッキはさすがに勝ち抜きづらい部分がある反面、関東のメタゲームはすでにカタリナから離れており数を減らしている実感がありました。そこで、デッキにできる範囲内である程度のプランを持ち、「寄せすぎない」ことを意識しています。

カタリナに対しては《呪術師の謀略》《悪霊退散》による序盤除去→《審査する者》を絡めたボード五分状況の維持→《ヴォルガネード》展開による有利展開の形成を狙います。【フラッシュバッカー】自体の流行により《霹靂一閃 八連》や《無慈悲な台風》といったショットが増えてきているので、詰めろは《ヴォルガネード》を使ってかけていくことでショットのケアにも繋がります。

超越者の揺り籠

キーカード:《悪霊退散!》

揺り籠は白型・純黒型・《剣呑な品定め》黒型の3種類がある認識ですが、いずれに対しても生物のサイズによる圧倒が有効になります。《カリン》の枚数が減ったことにより顔を詰める能力自体は弱くなっている上、【フラッシュバッカー】側もリソースゲームに着いていけることもあり五分か微有利ぐらいは見込める対面です。

序中盤は《超常》などのリソースカードを《審査する者》《悪霊退散》でエナジーにしまっていきつつ、2アクション徹底でテンポ不利を取らないように立ち回ります。最終盤では《発現する因子 バドラトス》による詰めが有効になるので、ゲームが長引くようなら意識。もちろん《バドラトス》のプレイでもテリトリー効果は誘発するので忘れないようにしていきましょう。

《剣呑な品定め》に対応して《悪霊退散》するとハンデスから身を守れます。覚えておくと結構使います。

荒魂イグドラ

キーカード:《何が悪い 伊地知虹夏》

(成立の順序は逆ですが)遅い代わりにサイズ押しのある【フラッシュバッカー】みたいなイメージです。生物のサイズが比較的高くボード勝負で不利を押し付けてくる構造なので、《なにが悪い》によるパンプが重要になってきます。

盤面形成に成功しさえすれば巻き返されることは少ないイメージです(もちろんのんびりしてると捲られます)。ゲームが伸びるとどこかで一度盤面を無視して顔に突っ込んで来れてしまうターンがあるので、そういうターンが成立しないように《ヴォルガネード》や《昼顔》を使って横に盤面を伸ばすことでゲームを強引に終わらせて勝ちます。

焼炙の門

キーカード:《赫灼竜 ヴォルガネード》

なんかまだ強いです。ライフを殴られるという事象に対して《グリム》《復讐》と二つの展開があり、無難に盤面整理を行えるところが強みです。

ただ、出力にブレがあり全てを持っているデッキではないという点に付け入る隙があります。【フラッシュバッカー】の強みは打点の継続力。序盤から強引に盾を押し《ヴォルガネード》や《発現する因子》を絡めるのが勝ちパターンのひとつになります。

ミラー

キーカード:《百獣王の怒り》

ミラーは基本的にボードを取り合って余った打点を全部顔に叩き込むゲームです。ライフプレッシャーを与えることでテリトリー効果を使いにくくして詰めていきます。先攻の開放ターンに殴ると《Distortion》使われるわボード奪われるわで一切得しないので、序盤は受けに回って盤面を並べ合いながら《虚を突く一手》を絡めるゲームになります。後ろ側が有利。

この対面においては《悪霊退散!》が回答にならないことに注意です。生物のパワーは容易に8000を超えてきますし、うまく除去できたとしてもテリトリーを閉じるので《好きな場所》のデコイが消えて顔が守れなくなります。逆に《百獣王》は攻め守りどちらでも強く使えるカードなので大切にしていきます。

終盤は押し付けのゲームになるので《ヴォルガネード》が先に絡んだ方が有利です。ゲームが長引く場合は《嵬羅》+《ヴォルガネード》から《カティ》を持ってくるとライフを消費せずに速やかにゲームエンドを見に行けます。《ヴォルガネード》の入っていない構築には《ヴォルガネード》引けば(出せれば)有利、引けないと不利。構造上は五分です。

その他

遊技場(ブルーム)
終盤は横並べによって圧殺できるので、序中盤にテンポを取られないことを意識して立ち回ります。微妙に不利寄りですが、《ヴォルガネード》展開がある関係でスイングすれば普通に勝つので不利意識はないです。

アイリス(驪竜)
不利マッチらしいです。が、《謀略》が絡めば先2開放展開を踏み潰せるためまずはそこを狙っていきます。これも終盤は《ヴォルガネード》の面展開を処理できなくなることが多いので詰めは《ヴォルガネード》ですが、《カリン》を守りつつ進行されると生物のサイズ差とライフの細さが厳しいので《カリン》やそれを守る《感覚支配》を引かれないように祈るゲームです。

テックカード

《冥葬腐龍 嵬羅》

あすさんが持ってきました。《ヴォルガネード》から出す弾としても強いですし、8エナジー下で《嵬羅》+《ヴォルガネード》と動いてDデッキに入っている6コストの各種メタカードをシルバーバレットするのも強いです。状況に応じたカードを持ってくるのはもちろん、追加の結束ユニットとして運用することもでき、かなり多くの盤面に対処できるようになります。

永続パンプテキストは覚醒効果ではないため、《悪霊退散》によってテリトリーを裏返しても10500として残れるのが地味に偉い。

《白狼衆のおてんば巫女 昼顔》

《ヴォルガネード》用のマナベースは未だなお一考の余地がありますが、今回は《昼顔》を多めに採用することにしました。最終盤の追加1打点が偉すぎることと、トップデックから《フラッシュバッカー》を起動できる最軽量のカードであることの2点が大きな魅力です。

これは《ヴォルガネード》にも言えることなんですが、8エナジー以降の2コストユニットには大きな価値があり、例えば《昼顔》+結束エースと動いた時に《フラッシュバッカー》効果込みで《百獣王》《悪霊退散》を構えられますし、前述した《嵬羅》との噛み合わせもとても強力です。

総じて序盤から終盤までデッキの安定性を担保する1枚であり、多投することによるゲームへの影響度が大きいと判断されたことから今回は最大枚数採用しています。

終わりに

チーム壺屋内でデッキシェアしたのは1st仙台のまどマギ以来だったのですが、結果として(権利には届かなかったものの)かなり上々の成績を残すことができておりひとまずほっとしています。

北海道大会はフラッシュバッカーの大海だったのですが、身内マッチも発生しておりかなり厳しい一日だったのではないかな、と……

勝ちきれなかったのは悔しいですが、今やれるだけのことはやれたし、チームメイトに勝ち馬を渡せたという意味ではうまいこと壺売りつけられたな、という実感があり個人的には嬉しいです。

フラッシュバッカーというテーマ自体、今回だけで3パターンの構築が公開されたようにかなり余裕のあるデッキで、環境に合わせてかなり自由に構築を入れ替えられる点がとても魅力です。

デッキ強度も非常に高く、ビルディバイド新時代の幕開けという感じがするので、興味のある方はぜひ触ってみてはいかがでしょうか。めちゃくちゃプレイの選択肢も多いので、ビルディバイドの面白さがかなり詰まってると思います。

スペシャルサンクス

本デッキは主にぐちさんがメインで調整を担当していたのですが、ぐちさんの調整相手としてよんさん(@Speed_of_ace4)に多大な協力をいただいていました(壺屋としてというよりはフォークロとして、ではありますが…)。

クラクラ杯でのフィードバックも含め、よんさんには大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。


それでは、また!

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