オレはおっさんなのでタイのソープが大好き

タイのお土産と言えばタイシルクだよね。もちろんオレも買ったことあるよ。

オレが初めてタイに行った時
仕事上の付き合いで取引先の年寄り連中と仕方なく行った時
ルーピーがブイブイ言わせてクルッポー言っていた頃の超絶円高時代でジャッピーマネーが超高性能万能完璧翻訳機にもなっていたころ。

「100バーツ札くずせる?」と年寄りに聞かれた。
ベッドメイキングのチップとして置いていくために20バーツ札が欲しいそうだ。
当時のレートで100バーツは250円、20バーツはえーと……うーん…50円くらいか?
この年寄りはおそらく算数ができないか、脳みそをすでに使い果たしているかのどちらかなんだろう
と、私は思いました。

あの頃は金にモノを言わせるというか、金で黙らせる感じ。

50バーツのところを100バーツ請求されボラれそうになるも、200バーツ支払っていたあの頃。

魔法(言葉)が通じないなら物理(1000バーツ札)で勝負だよ、魔法使いは物理に弱いってのが世の鉄則だからね。

そんな世界最強のジャパンマネーの前ではタイシルクと言えども1枚1000円で買えてしまったんだ。

たった1000円、キッチリ1000円だったね。

だって屋台の女のコが「シャチョサンセンエン、イチマイセンエンョ」って声かけてきたからね。激安だよね。日本円、敵無しだったね。

でも実はコレ、この1枚1000円は闇の裏ルートを通れる秘密のチケットみたいなものなんだ。

この生き血をブッかけたような真っ赤なシルクのカッターシャツか、ブルーハワイを煮詰めてこぼしたような青いシルクのカッターシャツか、色を付け忘れたらしい模様以外真っ白のカッターシャツのどれかを1000円で買うと
「シャチョサン、スーパーコピーアルヨ」と闇のダークサイドストアに案内されるんだ。

そこにはDiorとかGUCCIとかChannelとか書かれたよくわからないなんか布とかバッグが1つ2000バーツ、つまり5000円とかで売っているんだ!

もう、ここまで来るとジャパンマネーが最強すぎて恐ろしくなってくる。

まぁタイシルクなら普通はジムトンプソンを選ぶよね。

ジムトンプソンって言うのは、第二次世界大戦終結後にアメリカの軍人だったジムトンプソンがタイシルクをがんばって売って世界的に有名したという、今に続くタイシルク市場を一人で作り上げたと言っていいブランドであり人物だよ。

で、まぁオッサンが若いキャバ嬢に「タイのお土産だよ」ってスカーフをプレゼントしたとするね。

まず普通の女のコは「タイに行ってきたオッサン」にドン引きするからね。
「タイに行ってきたオッサン」=「買春旅行から帰ってきたオッサン」だからね。

そんなオッサンに「ジムトンプソンのスカーフだよ、知ってる?ジムトンプソン」なんて言われてもね、知るわけないよね。誰だよそれって話だよね。

でもデキるキャバ嬢は「ジムトンプソン?誰それ?」なんて絶対に聞かないよ。オッサンだってジムトンプソンが何なのか知っているわけないからね。

でもオッサンはドヤ顔でブランド品のスカーフをプレゼントしているつもりなわけよ。

オッサンはブランド品って聞いたらシャネルもグッチもプラダも大型MAもジムトンプソンもヴィダルサスーンも全部同じ「ブランド品」だからね。

しかもね、スカーフだから当たり前だけど柄があるよね。
でもオッサンがキャバ嬢のセンスに合わせるのは不可能なんだからせめて「無難に無地にするか」とかやっておけばいいのにね、そうすればお手拭き代わりにくらいにはなったかもしれないよね。

でもオッサンが選んだのは、ゾウさん柄だったんだよね。

スゴいよね、なにを考えたらゾウさん柄のスカーフをキャバ嬢にプレゼントするんだろうね、下ネタなのかな?

なんでそんな柄を選んだんですか?って聞いてみたいよね。まぁ聞いてみたところで「お前が選んだんだろうがっぁ!!」って言われるんだけどね。

まぁね、オレが選んだんだけどね、ゾウさん。
だってさ、何選んだってムダでしょ。
キャバ嬢にスカーフをプレゼントするならスタート地点はエルメスだからね。
エルメスとジムトンプソンじゃチビっ子大相撲大会のお昼休憩とスーパーボウルのハーフタイムショーくらい違うからね。

何を言ってるのかわからねーかもしれないけどオレもよく分からない。

まぁとにかく選んでもムダなんだよ、だから「無難に無地がいいんじゃないスか」って言ったら

「無難に無地ってのもなぁ」とか言いやがったんだよね。

正直「あぁ!?ナメてんのか?」とか言いたかったけど、オレのこう見えて一応所得税を少しは払っている程度には仕事をしている人間だからね、そこは我慢したよ。少し出かけたけどね。「あぁ!?ナメ」くらい。

「これなんかどうスか?」ってゾウさん柄を選んであげたんだよ。そしたら小生意気にもセンスのカケラくらいは持っていたらしくてね

「ゾウはねーだろ」とかホザいたんだよね。
そういわれてもね「お前、殺すぞ」って感じだよね。
だって、ぶっちゃけジムトンプソンなんてタイの民芸品だからね、キャバ嬢にあげるようなデザインの品物なんてないんだよ。

だからオレは「スカーフなんて巻いて使うんスから柄より色合いですよ、それならタイのお土産ってわかったほうが絶対いいですよ」って言ってそのホコリみたいなセンスのカケラを小指で潰したんだ。

どうせオッサンなんてスカーフを薄いマフラーとしか思っていないし、ショールとストールとの違いも分かっていないだろうからね。もちろんオレもわからないよ。

そんなわけでオレがオススメするタイのお土産は石鹸だよ。

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