中卒のDIY【少子高齢化対策の2】


残業代五倍化計画

1日10時間分の仕事があったとするね。
でも二人雇って5時間ずつ仕事をさせる経営者はいないよね。
ほとんどの経営者は一人雇って2時間残業させるよね。

これは一人だけ雇って残業代を払った方が安上がりだからだね。
時給1000円なら追加で払う2時間の残業代は500円でオッケーだよ。二時間で2500円!安い!
二人雇ったりしたらさ、色々大変じゃない?なんとなくだけど。
もし雇った二人が男と女一人ずつだったら、トイレや更衣室を2つ用意しなきゃならないし
他にも色々さ、アレとかね、ほらその色々ね、大変なんだよ人を雇うっていうのはさ。
もちろんオレは中卒底辺だから人を雇ったことなんかないよ。でもなんとなく大変そうだなぁって感じはするよね。

でもこの残業が日本をダメにしていると中卒は思うんだ。
だから残業代を5倍にしようね。
残業ダメ絶対!
まぁ5倍払うならいいけどね。時給1000円なら追加の残業代は1250円。時給は2250円!二時間で4500円!
計算あってるよね?

なら二人雇った方が安上がりだよね。
一人に時給2250円払うより、時給1000円を二人雇った方が安いからね。
めでたしめでたし。
とはならないんだなこれが。めでたさないよ。
オレが考える残業代五倍化計画の狙いは一人の労働者で老人を二人くらい余裕で支える社会だからね。
生産性とか労働効率ってヤツを上げなくちゃね。

実際のところ、残業代を五倍にしても「じゃあ二人雇おう」って経営者はいないと思う。
もしそういう経営者がいたら残業代五倍化計画の下では生き残れない。
というか邪魔。

普通の経営者なら、残業代が五倍になったら優秀な労働者を探したり、労働環境を改善したりして10時間分の仕事を8時間で終わらせられるような工夫をすると思うんだよね。

そもそもなんで日本では残業がこんなにも当たり前になっているんだろうね。
超有名な商社でも「みなし残業」ってのがあるらしいんだよね。
残業前提で仕事をするってアホっぽいよね。
100メートル走をするのにゴールテープが110メートル地点にあるようなもんだよ。
それなら最初から110メートル走にするべきだよね。
相変わらずわかりにくい例えだね。

でも労働者さんサイドもそれを普通に受け入れているんだよね。
企業さんサイドも労働者さんサイドも「残業」を当たり前のように受け入れている。
これはなんでだろうね。

終身雇用制の残りカス

なんで今の日本で残業が当たり前、下手をすると残業前提の労働環境が一般的かというと日本は長い間、終身雇用制度が一般的だったんだ。
制度と言っても明文化されていたわけではなかったし、就職するときの雇用条件に「定年退職まで面倒見ますよー」と書かれていたわけでもないんだけどね。

そんなことを一々確認したり書いておく必要がないくらいに日本では長いこと終身雇用制度が当たり前だったんだ。

終身雇用制度って言うのは、のび太君も出木杉君も就職さえできれば定年まで会社に居られる制度の事だよ。
グズでノロマなのび太君でも就職さえすれば月々の給料から退職金まで見積もれて人生設計を完了できるくらいすごい制度だったんだ。

だから、のび太君も出木杉君も当たり前のように残業したんだ。
「24時間戦えますか?」なんて言う今じゃ考えられないコマーシャルが普通に流れるくらい残業が当たり前だった。
日本は長らく高度経済成長を続けていたし、とどめはバブルだからね。
仕事はいくらでもあったんだ。いつまでも山に積まれた仕事を前にみんなで死ぬほど残業した。
そりゃあ頑張りすぎて死ぬ人もいただろうけど、過労死なんて言葉は無かった。

終身雇用制度のコストを負担していたのは誰でしょうか?

終身雇用制度。
これは就職した時点で人生設計が完了するという、究極と言ってもいいスッゴイ福利厚生だったんだけど、バブルの泡が上昇しなくなりリーマンがショックするとちょっとヤバい考えをする人たちが出てきたんだ。

景気が悪くなってくるとワタミの中の人とかがこう考えたんだ。
「のび太をクビすれば良くね?」ってね。
まあ当たり前だよね。
グズでノロマなのび太君をクビにする。
終身雇用制度の崩壊だね。
でもこれでは終身雇用制度は半分しか壊れていない。
終身雇用制度って言うのは、A社に勤めるのび太君も出木杉君も定年まで面倒見てあげるよ、だからみんな頑張って残業してねって言う制度なんだ。

でもワタミの中の人は終身雇用制度なんかクソくらえと、のび太君はA社をクビになりワンランク下のB社に転職することになるね。
グズでノロマなのび太君がB社にランクダウンしたのなら優秀な出木杉君はワンランク上のS社に転職できなきゃならない。
でも出木杉君はA社のまま、クビになったのび太君の分まで残業する羽目になったんだ。
定年まで面倒をみるわけじゃないけど、残業は頑張ってね。
出来杉君はもう踏まれたり蹴られたりだよね。

そう、終身雇用制度のコストを負担していたのは出木杉君なんだ。
本当ならそのスキルにあったS社に転職しもっと給料を貰えていたはずなのに、A社でグズのび太君の分まで頑張り続けるしかなかった出木杉君であって、間違ってもワタミの中の人じゃないんだ。
終身雇用制度の下では出木杉君はどんなにスキルアップしてもS社に転職する事なんて出来なかった。
そして今もできない。

終身雇用制度は崩壊していないんだ

のび太君はB社に落ちたけど、出木杉君はS社に転職するどころかA社のままで居なくなったのび太君の分の残業を強いられている。

世間では終身雇用制度は崩壊したと言われているけどそれは半分だけなんだ。
残業。
それはまだ終身雇用制度が崩壊していない証拠なんだ。
残業もなく、出木杉君がS社に行くことが出来て初めて終身雇用制度が崩壊したと言えるんだ。











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