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何を信託財産として選ぶべき?チェックするポイントとは?

今回は【何を信託財産にするのかチェックするポイント】についてご紹介していきます。


何を信託財産として選ぶべきなのか、判断するポイントが2つあります。

①信託することができるか?

信託法上、家族信託の対象になる財産に制限はありません。
金銭的価値に置き換えることができるものであれば、信託契約に定めることにより信託財産とすることができます。

例えば、以下の財産を信託財産にすることが可能です。

・現金
・有価証券
・金銭債権(請求権、貸付債権、リース・クレジット債権など)
・動産(美術品など)
・不動産(土地・建物、借地権など)
・知的財産権(特許権、著作権など)

しかし、法令上、信託できない財産があります。
その中で代表的なものの1つが農地です。

農地(田、畑等)の所有権を移転する場合は原則として農業委員会の許可が必要となりますが、
農地法上、信託による所有権移転については、農業委員会の許可はすることができないと定められているためです。

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宅地に転用する、もしくは、転用することを条件に農地法の許可を受け信託をすることとなります。

現に建物が建ち、宅地として利用されている土地であっても、登記上の地目が農地(田んぼ)になっているケースも存在します。
所有者であるお客様が宅地であると言っていても、登記簿上どのように記載されているかは必ず確認する必要があります。

登記簿上、農地になっている場合には、地目変更の手続き等をする必要があるので、その手続きを加味したスケジュールや費用を考慮するようにしましょう。

②分別管理義務を果たせるか?

受託者には固有財産(自分の財産)と信託財産が混ざらないように分別して管理する義務があります。
(信託法34条)
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財産の種類によって、分別管理の方法は異なります。
不動産・・・登記
金銭、債権・・・その計算を明らかにする方法(実務上は信託口口座を開設し、履歴を明らかにする)
未上場株式・・・株主名簿に信託財産である旨を記載
動産(美術品など)・・・固有の財産と信託財産が区別できる状態で保管する
登記、登録制度がある財産(特許や自動車など)・・・登記または登録

たとえば、不動産の場合は、所有名義を受託者に変える登記および信託目録の登記をする必要があります。

不動産について信託の登記をすることは受託者の義務であり、また、登記を行っていない間に委託者が意思能力を喪失してしまうと、当該登記のために委託者に成年後見人をつけなければならないという事態に陥ってしまい、何のために信託をしたのかわからなくなってしまいます。
信託不動産について売却や担保設定をするためには、その前提として受託者の名義に変わっている必要があるため、しっかりと手続きの案内をしていきましょう。

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