私には夢がありました

そう、私には夢がありました。すでに過去形です。

ドラマの同期のサクラじゃないけど、本当にありました。

3年と少し前、今の会社に転職しました。前職のプログラマーとは畑違いの土建屋さんです。

何もかも初めてで、右も左も分からない、前さえ見えない業界への転職、ほぼイチかバチかの無計画な退職をした救いようがないバカを救ってくれた人と、その土建屋さんの面接で私は出会うことができました。

その人は、出来るだけ自分の時間を割いて、私に教えてくれる、見た目はイカツイけど本当に優しい人でした。

その人は自分を犠牲にしてまで会社の為に一所懸命頑張ってしまう、すごく真面目な見た目がイカツイ人でした。

仕事が忙しい時にその人と一緒に残業しながら、この先の会社のこと、他の従業員のこれからのこと、これから会社を私と一緒にこうやって大きくしたいなど、他の人には絶対に話さないことまで話していました。まだ入って2年目くらいの社員なのにそこまで信頼してくれて、私も同じ目標を持ちたいし、同じ夢を叶えたいし、この人となら仕事が面白いと思えるような気がしていました。

現に、マシンコントロールの重機で掘削する3D図面を作ったり、ドローン測量をやったり最先端感をかなり感じていました。新しいことを次々とやらせてもらえて楽しく仕事をこなしていました。

そう、あの日を迎えるまでは。。

あの日は、その人はめちゃくちゃ疲れた顔をして、私と一緒に残業していました。あの日の前週から夜寝られないと言っていましたが、その時よりも顔色は悪く、元気もなく、ダルそうなのを見て取れる感じでした。

あまりにも辛そうだったので私は軽い気持ちで
「ウチに帰った方が良いですよ」
と、言いました。

その言葉を聞いたその人はいつもとは違って素直にウチに帰りました。

次の日、私は妙な胸騒ぎと違和感に襲われながら会社に出社しました。

社長からその人は前日の帰り道に事故を起こして亡くなったと聞きました。

あまりにもショックで自分の中で消化出来ない、理解不能な出来事でした。

私が前日、帰るように言わなかったら、もしかして、もしかしたらまだ生きていたかと思うと未だに心臓をえぐられそうな思いに襲われます。

その人の夢も志半ば。私の夢も志半ばであっという間に消えてなくなりました。

その人の夢は私ひとりでは実現性が低く、その人の実力と同じくらいの実力のある誰かとではないと叶えることが難しいことだと思っています。

令和元年がこんな悲しい年になるとは。。一生忘れることのできない元年になってしまいました。。

私ひとりで叶えられるようになっていきます。。

そうその人に誓える日が1日でも早く来るように頑張っていきます。


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