VS過去の名作

昔から人はものを保存する方法を探ってきた。結果聖書、ラスコー洞窟、源氏物語など残されてきた遺産は膨大な数にのぼる。
そして、人はまた物を簡単に作る方法を探ってきた。保存技術の発展に反して残されていないものがほとんどだが、小学校の絵など私もここまでの人生で『作品』をいくつか生んできた。多分昔ならば費用がかかりすぎてそんな無駄遣いが許されないだろう費用対効果の悪すぎる『作品』を。

このような論理で過去の作品が、残り続け、増え続けている。そうして始まったのが過去の作品との戦争である。最新作を追う人も、好きな作家が出来ればその過去に遡ったりもする。また、昔のものであればあるほど残っているという事実に対しての付加価値がついてくる。そして過去の作品ほど『権利』を気にする必要がないからリニューアルが早い。勝手に電子データにおこして配っても文句は言われない。

どんなに効率が良くなっても、寿命が数年単位で長くなっても新しいものに割く時間は減り続けるだろう。生産するスピードの上昇と消費するスピードの不均衡のせいで公開されては埋もれているものに世界は溢れている。電子化されているから見えないだけで実体化したらとんでもないことになっていそうなほどに。

以上がなんとなくの創作意欲があるのにものづくりに踏み込まないでだらだらと生きる言い訳だ。長い言い訳になってしまった。

10/18

読んでいただいてありがとうございます。 全部無料公開なんで、ちょっとでも支援あったら正直めちゃめちゃ嬉しいです。