数式を 紐解くペンの 行先は たどり着けない この世の果てか

人生の 迷子になった ウチのこと デパートっぽく およびだしして

すれ違う　傘の雫に　濡れる袖　今日も世界に　悪態をつく

突然の　雨に困って　入る店　また来たくても　なぜか叶わぬ

空の蒼　海の碧とが　融け合って　生まれたあおが　瞳にうつる

風に乗り 遠くまで飛べ 赤い糸 結ばれる人 探しておくれ

花冷えの　窓を開けては　すぐ閉める　しまったコート　また取り出して

徘徊の 目的地など ありません 強いて言うなら 明日に向かい

住み慣れた　ランチが安い　この街の　私がいた席　埋めるのはだれ

雨降りて　薄桃色に　地を染めて　春の序章が　静かに閉じる

ひだまりを　探しにひとり　公園に　先客いたり　サバシロの猫

夜桜を 眺めて歩く 帰り道 かかる時間は いつもの二倍