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【ケーキ七不思議】ケーキに著作権はあるのか

神楽坂下少し西の隠れ家的な立地にある、飯田橋のアグネスホテル。隣接するケーキ屋『ル・コワンヴェール』は、押しも押されぬ名店である。

その立役者のシェフが、去年、満を持して独立。都営三田線春日駅前にオープンした『アヴランシュ・ゲネー』は、今をときめく注目店である。

ということで、2つの店の看板商品は、モロにかぶっている。『ルナール』(仏語で"狐")、『タルトリュバーブ』(西洋フキのタルト)、『ヴィオレ』(スミレフレーバー)などなど。積乱雲みたいな造形がユニークなタルト~なんかは、かぶりっぷりに思わずニヤニヤしてしまう。

ところでこの『アヴランシュ・ゲネー』という名前、シェフの修行先であるアヴランシュ町のゲネーさんからとったという。まさかの直球ネーミング。さらに店の紙袋には、ゲネーさんの店の地図を大胆に印刷。律儀さは折り紙付きなのである。また、ゲネーのケーキ棚は、日本での修行時代の先輩の店『エーグルドゥース』からの譲り物だという。とにかく、心温まるエピソードには事欠かないのである。

この律儀さ、ほっこりエピソードからして、手塩にかけたレシピを引き連れての独立も、双方、合意済みなのだろう。きっと。案外、最近粉変えた~?とかLINEしてたりして。

あるいはケーキ屋の世界は、それが標準のお作法なのかもしれない。全てのレシピは伝統という海の落とし子であり、先人がアレンジを凝らし、盗み、盗まれてきた、歴史の仇華の一つなのかもしれない。(すみません適当です)

と、ここまで書いて気になることは一つ。このメニューかぶり状態は、一体いつまで続くのか。契約で決まってたりするのか。ある日突然片方が『元祖ルナール』とか、名前を変えちゃったりするのか。

いずれにせよ、かぶり状態のうちは、シェフへの思い入れが強いわけではない僕なんかは、アクセスのいい飯田橋の方に足を運び、お気に入りの『ルナール』を調達している。なかなかどうして、立地は重要なのである。

ちなみに飯田橋といえば、週休5日の実力派『カーヴァンソン』が鉄板ですが、個人的には『アミティエ』もおすすめです。ここ絶対道に迷うよ!

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