見出し画像

SummerPocketsRBプレイ日記 その3(のみき)

このプレイ日記は、読者が前作「SummerPockets」を完走していることを前提として、作品全体の根幹に関わるネタバレを呼吸のようにするので、まだサマポケもサマポケRBも完走したことないよって方は絶対に見ないでください。これはどっかのバナー広告みたいなフリではありません。

また、過去のKey作品の話題を出す場合もあるかと思うので気にする人は気を付けてください。

しっかり履修済みの鍵っ子は本題へ。


のみきルート

サマポケRBの2ルート目はのみきルートにしました。
うみルート(というか公式SS)で良い働きをしていたのが記憶に新しかったので、ついつい誘われて。前作でもかなりかわいいところは見え隠れしてましたし公式SSでも結構ぐいっと来てましたが、ヒロイン昇格でさてどうなったのか。

共通パートでも、新しい角度の立ち絵(かわいい)があったり、ちょいちょい追加テキストがあったりで、既にメイン昇格の実力の一端は見せつけていましたが、個別シナリオを選択していくと本当にしっかりメインヒロインしてるなあという感じ。
いや当たり前なんですけど、実は発売前はヒロイン昇格と言いつつ良一や天善も絡んだ「島の少年団」ルートみたいな感じになるんじゃないかなってちょっと思ってたんですよね。でもそんなことはなく、しっかり「のみき」ルートをやる気満々でした。いいぞ。
静久も、舞に対する佐祐理さんルートみたいな感じで紬の派生になるのかなとか思ってたけど、この分ならきっちり独立してそうですね。いいぞ。

シナリオとしては、のみきと一緒に島の見回り活動に精を出す感じ。
並行して、地方紙の記事で島を紹介したいという男女の記者二人に協力することにもなりました。のみき自身も島の観光日誌を出版する夢があるとかで、その勉強にもなるとやる気満々。島の色んな魅力を改めて探しながら二人で島を歩き回りました。
完全にデート。のみかわ。

のみきは島のことになるとすごく楽しそうに話をするので、本当に島が好きなんだなぁってのがよく伝わってきます。で、そんな大好きな島への恩返しにと、のみきは頑張って島の見回りをして治安維持活動をしているって感じ。
これはもう本当に昼夜問わず頑張っていて、前作とかだと「夜中でも脱ぐと狙撃飛んでくるのかよ! すごいなっ!」みたいなギャグとして読んでいた部分が、いざ行動を共にすると「本当に夜中でも島を見守ってるんだな……。マジですごい……」っていう尊敬の念に変わります。なんかこういう印象の変化、ぐっと来ますね。Keyくんさてはゲーム作るの上手いな?(知ってる)
でもアニメ作るのは下手(暴言)だから神様になった日は心配してるよ。

私が一瞬サマポケを忘れてアニメ企画第3弾を心配している最中も、シティボーイの羽依里は好感度稼ぎを忘れない。夜の鉄塔登り中に落ちかけたのみきを必死に受け止め、無茶を叱って信頼を勝ち取ったりしてました。
この展開、うみちゃんでもやったけど、もしかして羽依里的にはこれが鉄板ムーブなの? 女を落とす恋の必殺テクニックなの?
そういえばこのムーブ、鴎ルートでもやりますよね。なるほどこうすると女の子は落とせるわけか。(二重の意味で)

まあ鴎ルートだと羽依里が落ちて鴎が受け止めるんだけど。

落とされてるじゃないか。(二重の意味で)


そんなこんなしてると、唐突に日付演出が見たことない感じに。

ひづけえんしゅつ

普通に日付が出てきたと思ったらザザッていきなり乱れて日付が消える。
しかも背景CGは、普通なら日中なのに、夜。なにこれ!?

どきどきしながら読み進めると島が露骨に妙なことになっています。
島は暗いのに住民はみんな昼間みたいに活動してるし、
良一は服を着てるし、
天善はサッカー少年だし、
蒼はおしとやかでエロくないし(すごくかわいい)、
しろははどすこい乱舞の暴君だし(とてもかわいい)、
のみきは羽依里への好意がむき出しだし(非常にかわいい)、
なんか色々と、すごい。

異世界にでも迷い込んだか……?
のみきルートはこのおかしな世界が関わってくる話なのか……?
まさかしろは、蒼に並んで島の秘密に踏み込む重要なルートか……!?

ゆめかよ

って、夢かよ!!

よく考えたら当たり前なんですけど、唐突に不思議世界にぶち込まれても「だってKeyだし」で済ませられてしまうので、一片の疑いもなく現実だと思ってました。私ほどの鍵っ子の目を欺くとは……。夢オチとか斬新な手法すぎる……。

その後もしばらく夢は定期的に挿入され続け。夜は夢の中でのみきといちゃいちゃし、昼は現実でのみきと島めぐりをしてどきどきする、のみき100%生活を送ることに。
ここまで攻勢をかけられるとプレイヤー的にも完全にのみきに落ちちゃうってもんですが、それは羽依里も同じのようで、わりと早い段階で恋心を自覚。野郎どもに相談したりしてくっつけ大作戦が始まったりするわけです。うーん、男子の友情。

なんかリトバスの姉御ルート思い出しますね。こういうノリ好きです。
こういう、一緒にバカやってくれる男友達がいるのが良いんですよね、Keyのゲームは。春原あたりから確立したと思いますけど、この男友達枠のキャラは毎回大好きです。Keyの定番といえば泣きとか家族愛とか謎の奇病とかありますけど、最高の男友達っていうのも定番の一つですよね~。

ふんいき

仮にもヒロインがその枠に混ざってネタキャラ筆頭を走り続けてるのは新しいけど。

蒼ちゃんほんとすき。


作戦は失敗を繰り返しつつ一応は事故のキス程度の成果を上げたりもしました。それ以降、思春期羽依里くんの夢は激しさを増し、四六時中むちゅーむちゅー。完全にちゅーのオーバードーズ。こんなんのみき中毒なるでほんま。
羽依里もこの夢から覚めると枕にむちゅーしちゃう挙動不審っぷりです(そして鏡子さんとうみちゃんに見られる)。
ほほえまー。

しかし、どうも様子がおかしい。羽依里だけじゃなく、のみきまで挙動不審になっている。
のみきももしかしたら同じ夢を見てるのか? と疑うような状況です。
ここまでファンタジー要素の介入はほぼなかったけど、夢の共有ってことになると若干きな臭い感じが出てきました。
そもそも、いくら何でもシナリオ中に夢が多すぎる。ネタやギャグだけで挿入するにはあまりに過剰な量。最初は「夢オチかよ!」で済ませたけど、ここまでくるとさすがに夢に何か意味がありそう。
なんか、雰囲気がKey中盤にありがちな不穏な感じになってきたか……?
と、思い始めたところで

ちょう

とびでた

この蝶が出てきた時の絶望感がほんとすごいよね……。

まあ悪いことばっかりの蝶では決してないし、助けられることもいっぱいあるんだけど、場面によっては本当に絶望の象徴みたいに見えるんだよねこいつ……。
ちなみにこのシーンは、のみきとのみきの両親について話をしていて、のみきの話すことが何だかちぐはぐな感じになった瞬間に、のみきから蝶が飛び出たというところです。

もう絶対これ両親絡みの記憶が抜け落ちてるやつじゃん……。

この後、アホアホトリオにのみきの両親について確認すると、なんとのみきが捨て子だったことが判明。良一達の親も含め島の大人全員でのみきを育てていたそうな。重い。急に重いよ
そんでのみきは「両親は本土で仕事をしてるから私は無理を言って一人暮らしをしてる」とか言ってたので両親関連の記憶が混濁してるのももう確定。おのれ七影蝶。

七影蝶が絡んでるとなると結構大変なことになりそうですよね……。
羽依里、お前覚悟しとくんだぞ。頑張ってのみきを助けるんだぞ。私は覚悟してても重い展開に直面するとすぐ崩れ落ちて「私もう笑えないよ……」ってなる雑魚メンタルだから、お前だけが頼りなんだからな。わかってるな?

わかってない

こんな夢見てるあたり、わかってなさそう。
こんな大変な時になんて夢見てるんだ羽依里は。いいぞもっと見ろ。

ちなみに実は私、2040年の未来からきたんですけど、この後発売されるR18版のSummerPocketsあばんちゅ~るではここで選択肢が出て、夢から覚めないを選ぶとエロシーンを回収しつつバッドエンドです。グッドエンドにエロシーンはないです。美凪や小毬の感じですね。

話を戻して。

ギャグめいてますけど、ここは夢から覚めてもまた夢だったっていうシーン。なんとか誘惑を払いのけて起きるも現実では丸一日寝っぱなしで経過していたという、結構怖い状況だったりします。
その後専門家の蒼ちゃんの解説が入って、のみきは近しい人の意識に干渉しちゃうことがあるということが説明されました。羽依里は詳しい話までは理解できないけどとりあえず納得して、蒼ちゃんから夢から覚めるコツを聞いて今後に備える。

多分、のみきは七影蝶が出やすい体質で、その蝶がのみきの信頼する人に飛んでっちゃうってことですかね。蝶に繰り返し触れると異常な眠りに入ってしまうのは蒼ちゃんルートクリア済みの人間なら誰でも知ってるので、羽依里の寝すぎはつまりそういうこと。
今回は羽依里が寝てる間にのみきの蝶が羽依里に触れにきて、記憶を流し込まれ、それを元に羽依里は夢を見ていたってことなんでしょう。
だから最初に考えてた夢の共有っていうのは多分少し違って、羽依里も蝶によってのみきの記憶が入ってきていて、羽依里とのみきは同じ記憶を元に夢を構築しているから同じ夢を見ることもあった、ってところでしょうか。
今回羽依里が寝っぱなしだった間ものみきは普段通りに生活していたっぽいし、その点見ても夢を共有ってのは違いそうです。
なるほど話の仕組みはもう全部わかっちゃいましたね。

まぁ、熟練鍵っ子的にはこの程度の考察力は持ってて当然ですよ。
(※この後完全に夢を共有してるシーンが出てくるので的外れだった考察)

ここから物語は加速。
先祖を送る夏鳥の儀で、流すべき灯籠がなく寂しそうにするのみき。そんなのみきの姿を見て、後日意外な申し出をしてきたのが島の取材をしていた記者さんたち二人(二人が夫婦だったことも判明)。
なんと記者はのみきの親類で、身寄りのないのみきを子供として迎えたいと申し出る
自分にはちゃんと両親がいると思ってるのみきは混乱して、パニックの結果、捨て子だったという真実を思い出してしまう。
不安定になって逃げ出したのみきですが、それを羽依里がきちんと見つけて、正面から向き合い励まし、のみきを落ち着かせることに成功。ここは結構涙腺にくるポイントでした。説得の中で羽依里はのみきに告白もして、こうしてめでたくハッピーエンド。……とはならないのがKeyのゲーム。

この夜、羽依里はまた夢を見ます。
しかも夢に入ってすぐ出会ったのみきは、完全に現実の意識を持ってそうなのみき。その後のいくつかの会話を経てみても、今回に関しては完全にのみきと夢を共有しているということで間違いない。
で、この夢が今までみたいなイチャラブ世界かというとそうではなくて、のみきが誰からも認知されず、捨て子として忌み嫌われている世界。

Keyちゃんなんですぐそうやって心をえぐってくるの?

のみきが「なかなか寝付けず、どうしても羽依里に会いたくなって」と言ってることからも、のみきの七影蝶が飛び出してきたことは明らか。ただし、今回は記憶がこぼれるとかそんなレベルじゃなく、会いたい気持ちが強すぎて人格ごと蝶として飛び出してきたから、現実ののみきの意識を引き継いで夢を共有しているって感じでしょうか。
前に夢を共有してたっぽいキスの時も、現実で印象が強すぎる出来事(事故でキス)があったから人格ごと蝶として飛び出て、夢の共有に至ったってことですね。なるほど。

だとすると、やっぱりこの夢ってのみきの心の奥にあるものが見せてる夢で間違いないんだよね……。
島が大好きで、島の人達ものみきのことを大好きなのはわかっているはずなのに、どうしても「捨て子の私を育てるために面倒をかけ続けた」っていう負い目が捨てきれないんだよね……。
つらい、つらすぎる……。

プレイヤーの心と同様にのみきの心も壊れかけますが、蒼ちゃんに教えてもらっていた、夢の中で夢と自覚し夢から覚める方法を思い出した羽依里のおかげで、なんとか持ち直し。
互いを想い合う二人が頑張って、夢から覚めることができたのでしたとさ。

山場のシーンなのに書き方が急に簡潔になったのは、私がこの時ボロボロすぎて記憶があいまいだからです

詳細は君の目でたしかめてくれ!
(たしかめた人しか読んでいないはずのプレイ日記だけど)

ただ、ここが一番の山場ではあるんですが、一番の泣き所かと言われるとそうではなくて。

養子の申し出をしてくれた記者さん達、プレイヤーも羽依里ものみきすらも気付いてるんですが、親類と言いつつまあ十中八九のみきの実の親であろうろう人達で。わけあってのみきを手放すことになり今も面と向かって親だとは名乗れない状況で。
それでも会いに来てくれて家族になろうと言ってくれたのはすごく嬉しい話なんですが、まだ戸惑っているのみきはそれを断っちゃうんですよね。
そうしてる間に特集記事は無事できて、記者さんたちは島を離れることになるんですが、ここで羽依里に叱咤され覚悟を決めたのみきの記者さん達への見送りの言葉がほんともう、破壊力のかたまり。

ずっとのみきが島の好きなところとして挙げていた、人の心が豊かなこと。
島民同士だけじゃなくて外から来た人にも伝わるやさしさがあること。
この島のみんなが家族みたいなものだと。私の家族なんだと。
そして一度でも島に来た人もその家族の一員で。
だから……。
だから、記者さんたちも家族なんだと。

もうね、ここ一年で一番泣いたよね。

あの悪夢で自覚した、心の底にあった「捨て子の自分は迷惑をかけた」って負い目をのみきは振り切って、改めて島のみんなを心から自分の家族だと呼べるようになっていて、そう呼べるようになったからこそ、本当に家族と呼びたかった人を家族と呼べるの、すっごくいいよね……。
しかもこれ、船の出向にぎりぎり間に合わず、放送塔から拡声器で船まで聞こえるような音量で、島中に聞こえるような音量で叫んでるんですよ……。島民もみんな聞かされてるんですよ……。
そんで聞かされてる島民は、笑顔でのみきを見守ってるんですよ……。

この島の住民最高すぎるだろ……。こんなん泣くわ……。

いやこれは良い話だったわ……。
のみきルート一番の泣き所はさっきの夢じゃなくてここだわ……。

って思ってたらエピローグで、ここ一年と五分で一番泣いたよね。

島の住民最高すぎた……。


と、言うわけで後半語彙力を失ったため駆け足になりましたが、以上、のみきルートのプレイ日記でした。
本当はもっと簡潔に書くつもりだったのに結局またあらすじ全部書いちゃってた気がする。

総括としては、すごくKeyらしい、サマポケらしい話で追加ルートのクオリティもばっちりだなってとこです。
無印の四人よりも良一や天善の出番が最初から最後まで多いルートで、サブキャラに対する思い入れもすごくできるっていうのは他のルートにはない長所ですかね。
無印って、一直線にヒロインの攻略をしてると歴代鍵作品に比べてほとんど共通パートがなくてサブキャラとあんまり絡むことが無く、個別に入った後でちょろっと出てきても「いつの間にこいつらとこんな仲良くなったんだ?」と、男連中に対する距離感がプレイヤーと羽依里の間で温度差できるのが数少ない欠点の一つだと感じていたんですよ。その点、のみきルートはずっと男連中の出番が多くてサマポケ入門ルートにぴったりだなーって思いました。

サマポケRBから入る人へのおすすめ攻略順としては、
駄菓子屋と秘密基地連打でうみルート→のみきルート
までは鉄板としておすすめしていいんじゃないかなって思いました。
のみきの前に蒼ちゃんやっといた方がいい説もあるけど、まあ、最低限の説明はされるし、蒼ちゃんルートへの伏線みたいにもなって期待感高まるしそれはそれでいいのかなって。

まぁ、蒼ちゃんルートは島モンルートに行っちゃってネタバレ喰らう事故要素を考えると序盤に消化した方がいいのは間違いないけど。

あと、追加ミニゲームの卓球ルートも終えたんですけど、ツムギは出るわ若鏡子さんは出るわのやりたい放題だったので、これも人に勧める時は最後にやるようアドバイスしようなみんな。
ちなみにツムギは特殊効果でプレイヤーが異次元に拉致られ、数ターン操作不能で打ち込まれ放題っていう狂効果でした。フレーバー再現完璧かよ。

ていうかKeyちゃん、お遊び要素仕込むのはいいけど、こういうのは一周クリアまでルートをロックしてもいいのよ? 馬鹿理樹ルートの時に最初は普通にやってって泣いてお願いする羽目になったの忘れたか?


話が完全に逸れましたが、以上、のみきルートの感想でした。
面白かったです。

次回は静久ルートです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?