見出し画像

SummerPocketsRBプレイ日記 その2(うみ)

このプレイ日記は、読者が前作「SummerPockets」を完走していることを前提として、作品全体の根幹に関わるネタバレを呼吸のようにするので、まだサマポケもサマポケRBも完走したことないよって方は絶対に見ないでください。これはどっかのバナー広告みたいなフリではありません。

また、過去のKey作品の話題を出す場合もあるかと思うので気にする人は気を付けてください。今回はその辺のネタバレはありません。

しっかり履修済みの鍵っ子は本題へ。

共通パート

攻略順をまったく決めずに始めたのでいきなりちょっと悩む。
悩みながらふらふらしてた結果、その手につかみとったのは……

うみちゃんのぱんつ

パンツでした。
いやこれ島モンファイトですごく便利だからほら……。

ひとまずこの辺の便利な餌を集めつつ、ヒロイン以外の住民とわいわいしながら、島の空気に馴染んでから個別に行こうかな。
バッドエンドのテキストもさっさと既読埋めしといて~っと、とかやっていたら何だか見慣れないテキストが出ました。
お? バッドエンドにも何か追加が……?

そうきたか

そうきたか……。
なるほど、うみルートってこうやって入るんですね。ヒロイン誰ともフラグ立たなかった時の救済みたいな感じになると。名雪もこんな感じだったっけなぁ。サマポケはわざとバッド踏みに行かない限りほぼバッドにはならない仕様だから、情報遮断してると意外と気付くの遅くなるかもしれませんね。
しかし、うみのパンツ取りに行くと十中八九うみルートに入ることになるとはすごい仕様だ……。

うみちゃんも私の中では目玉の位置づけだったので、本当は後の方にやるつもりだったんですけど、こうなった以上は攻略せねば不作法というもの。
うみちゃんとの確かな絆(パンツ)を感じながら、サマポケRB最初のルートはうみルートになりました。

うみルート

警告。

うみルートについて、完全にネタバレをします。あらすじ全部話します。

また、サマポケという作品全体に関わるネタバレをぶちかまします。
サマポケRBで初めてサマポケに触れ、うみルートはクリアしたけどフルコンプはしていない、という人は絶対に読んではいけません。人生の損失です。

退散するならここが最後の機会です。














バッドエンドは前作までだと「もう島から出よう」、で終わるんですが、今回はうみちゃんが寂しそうな顔をして引き留めてくれます。で、それに応えるとうみルート突入という感じ。
うみちゃんはおかーさんと楽しい夏休みを過ごすために夏を繰り返してて、おとーさんにはあんまりまだ心を開いてない時期だと思うけど、それでも寂しそうな顔してくれるのいいよね……。

でも、一緒に遊ぶかと言うと断られちゃう。好感度足りてない。
そういえばうみちゃんって普段何してるんだろうと後をつけてみるところがうみルートの始まりです。

釣りをしたり、スイカバーを買って食べたり、ため池で必殺技の練習をしてみたり。行動が完全にしろは。おかーさんの行動なぞってるのかわいい。
しろはと仲良くなるために色々研究してるってことですよ。涙ぐましい。

で、ため池で必殺技の練習してたのを見られたのが恥ずかしすぎてちょっとおぎおぎした感じになるんですが、そこは羽依里が誠意ある対応をして仲直り。一緒に昆虫採集したりするんだけど……。

おやこ!!

お、親子~~~~!!!

肩車ですよ、肩車。うみちゃんの戸惑った表情がまたいい。
多分してもらったことないんでしょうね。それがまさかこんな形でされることになるとはって感じで、この時のうみちゃんの嬉しいやら恥ずかしいやら今更何よ! バカ! 寂しかった! やらの複雑な心情を思うとほわほわした気持ちになりますね。

かたぐるまおまえ

羽依里「肩車、知らないか?」
うみ「し、知ってますけど」
羽依里「してもらったことは?」
うみ「……よく、おぼえていません」
それは――……たぶん、ないってことだと思った。

お前だよ!!!(声に出た)

お前がしてやってねーんだよ! 未来で!!
お前が寂しい思いさせてるんだよ! うわああああああああああ!!

もう尊さと切なさのダブルパンチ。
まあ羽依里が悪いわけじゃないのはわかるんですけど。少なくとも今の羽依里は本当に何にも悪くないしむしろすごく良い奴なんだけど、知る由もないこととはいえこれはなんか、なんか……。うーん……。
今この瞬間悪い奴なんていないのに、なんだろうこの晴れない気持ち……。

ころすぞ

肩車をした時にもおもったけど、あまり父親と上手くいってないのかもしれない。

お前が悪いんだろうが!!!(声に出た)

かわりじゃねえ

羽依里「じゃあ俺、今日はうみちゃんのお父さん代わりになれたかな?」

代わりじゃねぇんだよ!!!(声に出た)

いやまあ今の羽依里は何も悪くないからキレても仕方ないんだけど、何かしら言いたくはなるよね……。この辺、読んでて心労がすごかったです。いいぜこの胃をきりきりと締め上げてくる感じ、鍵のゲームしてるって感じだ……。

私の胃痛をよそに、うみちゃんはこういうナチュラル無神経発言はものすごーく普段通りのテンションで軽くあしらってました。私より大人だな?
まあこの後の台詞でわかりますけど、このルートは時系列(ループ回数)的には公式SSの後で、公式SSでおとーさんと向き合うことを決意する描写があるので羽依里のこういう台詞は素直に評価してるんでしょうね。私より大人ですね。
この辺のうみちゃんの対応が素なので、サマポケRBが初サマポケな人も、うみちゃんのおとーさんが羽依里ってのはここでは気取られないようにもなってるし、そういう面でも上手いことやってる感。

その後も落し物探ししたり一緒にお風呂入ったりでわいわい過ごしました。
落し物探しは帽子のくだりがすごく良かったです。

・帽子は日射病とか頭をぶつけたりとか、そういうのから子供を守るもの、子供に帽子をプレゼントしようってのは、子供のことをちゃんと思ってる気持ちから
・その帽子、すごく真剣に選んだんだろうな。すごく似合ってるから

こんなこと言うの、ずるくない?
だってそれ贈ったの未来のこいつなんですよ?
私がうみちゃんならあの場で膝ついて泣き崩れてましたよ。
(私はうみちゃんではない)
羽依里は本当に良い奴なんだよな……。羽依里イズ良い奴……。

と、思ってたら迂闊な羽依里の失言でうみちゃん激怒、島の子供たちと共に良一達の秘密基地を占拠して数日にわたる立て籠もりを開始しました。
この失言に関しては擁護するところが何もないので完全に羽依里が悪い。
ちょっと褒めるとこれだよ。

島の少年団のみんなが説得に向かうも……。

おっぱいばっか

ししょうえろい

ぼっち

全員撃沈。
子供って本当にこういうの容赦ないよね……。

この辺、子供だけで夜通し山の中って大丈夫なのかなって、最初は結構ハラハラしてたんですけど、描写が完全にギャグなので(主に天善)まあ大丈夫なんだろうなと楽しく読んでました。羽依里が食料も差し入れしてたし、謎の駄菓子の差し入れもありましたしね。
駄菓子ってことは、蒼だな! さっすが蒼、面倒見が良い~!(違った)

で、立て籠もりはチャーハンがきっかけで崩されて終わるんだけど、大人たちに捕まった子供が叱られ始める光景にうみちゃんがすっごく怒るんですよ。怒らないって言ったのに、大人は勝手だ、嘘つきだって。うみちゃん、ループ繰り返して精神年齢高いのもあってかなり分別あるのに、そういうとこは完全に子供の視点で怒るわけです。
どれだけ大人びてても、ちゃんと叱られたことがないから、「叱る」って行為の大事さがわからないんだよね……
もうね、ただただ切ない……。
でもそんなうみちゃんを、今、羽依里が叱るんだよ……。
うみちゃんに対する親の愛の象徴である、帽子をかぶせながらさ……。
もうね、正直涙腺決壊しそうだったよね……。
なんとか堪えて読み進めると、島の大人たちが子供を叱り終わって、今度は行動力を褒めたりしててさ……、冗談めかして「ま、しばらくおやつ抜きだけどな」とか言ってさ……、子供たちはそれに「えー、横暴だー!」って反抗したりするんだけどさ……、そこで大人はぽつっと、優しい声でさ……、「おまえらもう、十分食ったろ」ってさ……。

あああ~~! あ、あの駄菓子~~~~!!(決壊)

普通決壊するところじゃなさそうところで涙腺決壊しましたよね。
いや島の大人……、島の大人すごいよあんたら……。
そういえばたしかに、羽依里が捕虜にされた時とか普通に子供に気付かれず耳打ちしに来れてたし、ずっとちゃんと見守ってたんですね……。愛ですね……。
誰だよ描写がギャグっぽいから大丈夫そうとかいう意味不明な理屈で子供の安全面考えるの放棄した奴……。
安全はこういうしっかりした大人が裏打ちしてるものなんだよ……!

大人になろうって思いました。

その後、うみちゃんと羽依里の会話でもしっかり追撃を喰らって白旗。
ま、ここがこのルート一番の山場っぽいし泣かされるのも仕方ないですよね。
そう思っていた時期が俺にもありました。

シナリオはこの後絆が深まったうみちゃんとの若干のイチャコラを挟んだ後、羽依里の水泳部関係に移行。自分がいなくなった後の水泳部が、自分がいた頃には成しえなかった全国大会に出場決定したというニュースで自分の存在が揺らぎます。
そりゃ揺らぐよね……。いや相当つらいよこれ……。
前作でも個別はどのルートもこの辺りの挫折に触れるけど、それは乗り越え清算すべき過去っていう話であって、リアルタイムで追撃がくるのはえぐすぎる。
そんな羽依里史上最大のピンチ(誇張)を救うのは誰かと言えば、それはもう当然、これが誰のルートか、誰と絆を深めてきたのかって話で。

がんばったんですね

こうですよ。
これ、公式SSでのみきがうみちゃんにかけた言葉なんですよね。もう限界になってしまったうみちゃんが、ループのこととかも含めてのみきに全部ぶちまけた時に、のみきがうみちゃんにかけた言葉。
誰にも理解してもらえない道を歩いていたうみちゃんを、「見つけてくれた言葉」。
その言葉を、自分の居場所が揺らいでしまった羽依里にかけるんですよね。
羽依里を、見つけてあげるんですよ。
頑張ったねって。

良い……。

ちなみにこれ、深読みとかではなくて、うみちゃんは「前にある人に言われたことがある」と言ってるし、羽依里も「見つけて欲しかったのかも知れない」と独白してるので、確実に公式SSから繋がってると思います。
ありがとうのみき……! うみちゃんを、羽依里を救ってくれて……!
(次のルートがのみきに決定した瞬間)

そしてこの後の
「鷹原さんがいない夏なんて、もう想像できません」
で、私は完全にKO。

前作やってて、ちょっと欲求不満になったのが、元気なうみちゃんと遊んで過ごせる夏がなかったことなんですよね。
勿論ALKAでうみちゃんとはたっぷり過ごせるんですが、まあ元気なうみちゃんとはちょっと違うじゃないですか。あっちの方が本来のうみちゃんに近いのかもしれないとはいえ、プレイヤーの認識としてはなんか弱っていってるうみちゃんなわけで、心が苦しくて手放しで楽しめないというか。
その辺、今回のうみルートは元気なうみちゃんといっぱい遊んで、ちょっと喧嘩したり、仲直りしてお風呂入ったり、本音をぶつけられたり、本気で叱ったりして、めいっぱいの夏を過ごせたんですよね。
前作最後までやってるプレイヤーとしては、正直それだけでもう十分満足なんですよ。
ただ、うみちゃんとしてはやっぱりおかーさんと楽しく過ごすのが目的だから、そういう意味ではこの夏はまあ失敗といえば失敗で、このルートが終わったらまた次の夏へってなるんだよなー。失敗扱いよなー。
なんて思ってたところに、うみちゃんからの

「鷹原さんがいない夏なんて、もう想像できません」

ですよ。
いやもう、感動するなって方が無理ですよね。
うみちゃんも、おとーさんとの夏を楽しんでくれてたんだ……。
私だけじゃなくて、うみちゃんもしっかり楽しんでくれてたんだ……。
あぁ、うみ……、うみ……。私のかわいい、羽未……。

おとーさんこの台詞聞いた後、うみがほとんど絡まない他ヒロインの個別に行くのすごく罪悪感出てきたんだけど……。

という感じで、若干冗談を入れないと立ち直れないほどにやられました。
このシナリオはサマポケを最後までやった状態で読むのとそうでないのとでは全然読み味が違うと思うので、サマポケRBで初めて触った人は絶対に二周目するべきですね。

その後、水泳部が良い奴らで泣かされ、
馬鹿二人が良い奴らで(知ってた)泣かされ、
最後のキーになるのはおかーさんだったことに泣かされ、
締めも完全に心が無防備にされすぎてて一言一言で泣かされ、
なんかもうボロボロでうみルートを終えました。

RB買ってよかった……。
もうそれしか言うことがない……。

あと細かいとこだけどすごく好きだったのが、水泳の特訓でストップウォッチ係やってた蒼が、ずっとゴールのたびに「前と一緒」とか「(島に来てからの)ベスト更新!」とか「惜しい」とかコメントしてたのに、最終目標である水泳部時代も含めた羽依里の自己ベストを出せた瞬間だけ、無言でうみちゃんにストップウォッチを見せてうみちゃんから報告させるの、最高に良い女なんだよね……。
こういうことができる蒼ちゃんを尊敬するし、こういうのを書けるライターも尊敬するよ……。

ボリューム的には前作の個別よりちょっと控えめな感じなのと、うみちゃんの背景知らない人にとってはそこまで重さがなく気軽に楽しめる感じなのと、羽依里のトラウマが綺麗に解決するのを見れることもあって、RBからサマポケ始める人が手を付け始めるには、一番いいルートなんじゃないかと思いました。

その後はもちろん、フルコンプして、公式SS読んで、もう一回うみルート、ですね。
それと公式SSはドラマCDから繋がる話もあるのでそっちもですね。
うーん、商売上手!


次回はのみきです。
今回はうみちゃんへの想いが強すぎて丁寧に書きすぎたので、次回からはもうちょっとさらっと書きます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?