貧乏が顔に出る
年末の12/28
仕事納めの土曜日
下北沢OFF OFFシアターへ
職場の仲間と観劇に行った。
MCR の年末公演「貧乏が顔にでる」
再演となるこの作品であるが
この台本を公演するのは年齢的に最後になるとの事。
僕はMCRという劇団が大好きである。
日々の嫌なことに折り合いつけて生活していられるのはMCRの存在が大きい。
MCRの公演を見ると腹の底から笑えて、普段はなるべく省エネしようと防いでいる感情がぐわんぐわんと揺さぶられる。
僕は演劇は基本、一人で見に行く(まあそれ以外の生活もほぼ一人であるが)。その存在を自分だけのものとしたいためだろうか、公演を見て出てきた感情を他者と共有する事に自信がないのか考えたところ大切にしている劇団、よりどころになっている存在についてもし否定的な感想を言われたら、その人とそれ以降どう付き合ったらいいかわからない恐怖があったからだと思う。
そんな意味のない感情をとっぱらってくれたのはMCRであるし、それだけの友人ができたのだと感謝である。
今回の公演に話を戻す。
「お前が自分でどうにかできることが世の中に幾つあるんだよ?」
男が三人、一つのおんぼろな部屋で暮らしていて、主宰の櫻井氏演じる男が酔っ払ってお地蔵さんをアパートに持ってくる。
お地蔵さんはその男に対して「お金と引き換えに記憶が無くなる」という罰、特権を与える。
ありそうで、なさそうで、でも、ここにしかないお話。
MCRは専門学校時代の友人達で立ち上げてきた劇団で、2019年で25周年だった。それだけの時間を共に過ごしてきているもんだから、互いの関係性が、物語なのか、リアルな友情なのかが際どく表現される時がある。
この台詞は本当にこの物語の中だけなのかと勝手に思ってしまう。
現実とお芝居の境界が揺らぐ瞬間がある。
ある瞬間、客席にいる自分までもが、舞台側の空間にいる感覚がある。
だから時々、その迫力と衝撃に思わず眼を覆いたくなる時もある。
そんなリアルな緊張感を一つの演劇という表現の中に封じてしまう。
度し難い劇団 それが MCR
(2019年は「死んだら流石に愛しく思え」、「あんたのことなんか誰も見ていない」観に行けた)
好きなものは好き
それは、どうにも出来ない。
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