イエスセットとダブルバインドの誤解と誤用
(注:以前ブログの方で投稿していたものを加筆修正したものとなります)
イエスセットとダブルバインドという言葉を聞いたことは無いでしょうか?
元々は心理療法等で使われていたテクニックで、臨床上での用法を知っていれば日常シーンの殆どで使えないことが分かるはずですが、なぜか会話やナンパ、交渉のテクニックとしてしばしば紹介されているようです。
イエスセット:
「はい」と答えることが出来る質問を繰り返し、その流れで「はい」と言わせるテクニックみたいな紹介のされ方をしています。フット・イン・ザ・ドア・テクニックもこれの一種だと言えます。
大きく間違っていはいないんですけどね…大きく間違ってはいないのですが、このテクニックを日常で使ってくる人がいたらはっきりってキモいと思います(ぉぃ)
ダブルバインド
「飲みに行くなら金曜日が良い?それとも土曜日?」
「食事に行く?それともカラオケ?」
どちらを選択したとしても「出かける」結論に導ける、という話し方をダブルバインドと紹介されていますね?
実はこれエリクソン的には単に「バインド」、又は「タイムバインド」と呼ばれるテクニックであり、本来のダブルバインドではありません。
NLPに組み込まれてから、それもダブルバインドと呼ばれるようになった可能性が高かったりします。
しかも、NLPでは後述する「本来のダブルバインド」と一般的に呼ばれる「ダブルバインド」両方の概念が文脈に寄って使い分けれられているので、本来の意味で使っている人も少なからずいるはずなのですが…それなら元々の使い方みたいに「バインド」「タイムバインド」「ダブルバインド」という言い方に分けたほうが混乱が少なかったように思うわけですよ…バンドラーさん…
2つに共通すること
本題に入る前に、先に大事な話をします。(矛盾する言い回しですが、本題よりもこちらの方が実用上は大事です)
この2つのテクニックは、基本的にラポールが無いと成立しません。
ダブルバインドを使うにせよ、イエスセットを使うにせよ、相手が少しでもその気がなければ全く通用しないという問題があります。初対面で印象が悪い場合、どんなにテクニックを駆使したところで相手を口説き落とすことは不可能です。
しかも、これは少しでも知識のある人であれば分かることなのですが、あたかも誰にでも通用する「魔法のテクニック」のようにナンパ術やコミュニケーション術、交渉術で紹介されているのには強い違和感を感じます。
さて、ここからが今回の本題です!
元々のイエスセット
催眠療法等で使われていたイエスセットも「はい」と答えられる質問を使うところまでは同じですが、質問する回数がまず違います。
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