学校の怪談〜首吊りの木〜

　僕の通う市立第三中学には七不思議、というのがある。

まあ、七不思議と言っても実に子供騙し的でほとんど誰も気にしていない。
ただ一つを除いては。

１、夜中の2時に階段の合わせ鏡の前に立つと紫色の女の人が現れて鏡の世界に引き摺り込まれる。

紫色の女の人っていうのが意味不明でしょ。
肌が紫色なのか、服が紫色なのかも分からないし。
もしも万が一夜中の2時に子供がそこにいたからよかったもののいない時はいっつも暇してるの？とか、引き摺り込まれちゃった子はもういなくなったはずなのに誰がこの話を流したの？とか。気になることがたくさん。
それに第一、うちの学校のどこの階段にも合わせ鏡なんかない。

２、夜中の2時に三階の女子トイレの奥から三つ目の個室をノックして「花子さん、遊びましょ」と10回唱えたら中から花子さんが出てきて便器に引き摺り込まれる。

夜中の2時に家に知らない人が訪ねてきて、10回も遊ぼうと言われたら僕でも便器に引き摺り込むだろう。

３、夜中の2時になると理科室の人体模型が踊る。

お好きにどうぞ。

４、夜中の2時にプールで泳いでいるとカッパが出てきて足を引っ張る。

カッパは川にいるものだと聞いたことがあった。

５、夜中の2時に屋上に行くと突き落とされる。

これはただの犯罪では。

６、夜中の2時に学校に入ってはいけない。

校則・・・・？

７、新月の夜には学校近くの公園に近づかないようにする。
首吊りの木が新しい血を求めている。