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狂気的な彼女。

 僕の通う私立高校はとても眺めのいい山の上に建っている。
正門に至るまでの長い長い坂道は、春になると桜が咲き乱れてとても美しい通りになる。写真を撮りにくる人や、近所に住んでいる人たちの散歩道としても愛されている。

僕はこの学校が好きだ。

友人たちは皆穏やかで、楽しい。
先生にも嫌な人はいない。とても時の流れが緩やかで、勉強したことが身になっていることを実感できる環境だと思う。

彼女のことも嫌いではない。

みんな、そうだと思う。

でも少し怖いのは本音としてあるだろうと思われる。

彼女がその狂気を顕現させたのは二年生になって、このクラスになって夏休みが終わった頃だった。この学校でも少しだけヤンチャっぽい子たちがいて、彼女はその中にいるようないないような子だった。気まぐれで、どこか憂いでいるような表情を浮かべている彼女の印象はまさしく「儚げ」だった。

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