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inagakijunya
暴走
世界は様変わりしていた。
ほんの一年前まで考えられないことが今は世界の常識になりつつある。
それは人々を分断させて、集団というものを個人に分割していった。
ただのウイルス、とたかを括っていた人も皆沈黙してしまった。
しかし人間は生きていかなければならない。
混沌と、暗澹、または低迷という言葉に言い表されるこの世界でも人々は希望を持って生きていかなくてはならなかった。
矢追祐一は開発中のゲームの最終調整に入っていた。
少し前までなら会社の研究室に閉じこもって仲間とせっせと仕事をしたが
一年前からずっと家での仕事に切り替わっている。
最も、一人でいることが苦ではない矢追祐一にとってそれは喜ばしいことでもあった。他人とのコミニュケーションを強要されずに済む空間は常に居心地がいいのだ。
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