ドミネーション・ガール。
歓声が聞こえる。
自分を応援している声なのか、相手を応援している声なのか。
ざわめきのような音が寄せては返す波のようにわんわんと大きくなったり小さくなったりを繰り返しているのがわかる。
俺は屈辱のまま、リングに顔を伏せてただその困惑のような歓声をぼんやり聞いている。
こんなはずではなかったと思いながらしかし身動きの取れないままだ。
今日の対戦相手はただの女子プロレスラーのはずだった。
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