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悪魔との邂逅。

 最初は社会派のルポライターを目指していた俺だったが、
気が付けば社会の底辺みたいな仕事をしている。
勤め人とはいえない勤務体系のおかげで、仕事にありつこうともがけばもがくほど転がるように落ちていく感覚は加速度的だ。
いつの間にか、というかああ、こんなに情けないことになった。という自覚を伴う一瞬で、俺は風俗関係の記者をやるようになった。

記者と言っても、風俗店から差し出されたデータをもとにあったこともなければしゃべったこともない風俗嬢のインタビューを捏造するというインチキみたいな仕事だ。
ちょっと状況がわかってれば誰にでもできる。まさに底辺という自覚のある仕事だ。まあ、食うためならば仕方もない。

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