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敗北のエチュード。3

1、

外では雨が降っていた。
コンクリートの打ちっぱなしだけが骸のように残った廃ビルの二階部分。
窓があった場所には何もなく吹き荒ぶ風がやたら寒い。

身を乗り出せば街を行き交う人の群れが見える。
水しぶきを飛ばして冷たい街に栄華を放つ車の軌跡が見える。

雨雲の垂れ込める空には、どんより、という言葉がよく似合う。気分の晴れない心をそのまま映し出したようなそれは順番に巡ってくる天候の気まぐれにしてはあまりにもこの状況にお誂え向きだと言えた。

俺は

この街に密着していながら徹底的に孤立した空間でバケモノと向き合っていた。

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