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歪んでいく感覚に気づかないまま。

 「な、お前もこいって。」

「マジでめっちゃ可愛いんだから!」

「俺らだけで独り占めしちゃうの勿体無いしさあ。」

「な、な。お前もくるべきだよ。」



「いやあ、、でも、、」


「今なら入会金とかいらないらしいさ!」

「な!?めっちゃいいだろ?」

「しかも美人のおっぱいとか触り放題だぜ?」

「今日から行こうよ!」

「マジで人生開けるからさあ!」


「そうかなあ・・・じゃあ、見学だけ・・・・。」


そう答えたのが、僕の運の尽きだったのかもしれない。
僕が、「じゃあここな。」と友人三名に渡された地図を見て、
「え・・・一緒に行くんじゃ・・・?」と顔を上げた時にはもうそこには誰もいなかった。ただ、教室の雑多な風景が広がっていて、
「あれ・・・?」と不安げに口からまろびでた言葉は行き場をなくして、
僕が独り言を言ったという恥ずかしさだけを残して消えた。

夏が終わった秋の、夜は肌寒いと思える季節のことだった。

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