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寝技姫。01

 僕が彼女と初めて会ったのは、高校に入ってすぐのことだった。
別に強豪でもなければなんでもない、県大会一回戦負け確定みたいな柔道部に、僕のはかない青春へのせめてものはなむけとして入部した時のことだ。

部員は半分白帯、半分黒帯、そして女子ちらほら。監督と言っても文化系のおじさん先生が怪我をしないようにね、と言い伝えるくらいの感じで。
剣道場と畳を敷いた柔道場を半々にした『武道場』と言われる場所で行われる部活だ。僕も少しは気負って頑張らないと、と思っていたけどその緩い空気に絆されて、というかその空気感に馴染んでしまうまでにそれほど時間はかからなかった。

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