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トライアルを支える食のプロフェッショナル集団・明治屋(前編)

トライアルでは日用雑貨や生鮮食品のほか、店舗によっては衣料や生活家電など幅広い商品を扱っているが特に力を入れている分野の1つに「惣菜」がある。今晩の夕食に、明日のお弁当のおかずに、様々なシーンで買い求められる惣菜類は消費者にとってスーパーマーケットを訪れる楽しもみの1つになり得るものだ。
今回は、トライアルグループの「食のプロフェッショナル」である、株式会社明治屋を紹介していく。

59円のおにぎりから40,000円台のコース料理まで

明治屋の取り組み

明治屋は2009年に設立され、以降トライアルグループにおける食を中心とする事業に広く関わっている。メインとなるのは、トライアル各店で提供する惣菜の開発・製造だ。和食・洋食・中華・フレンチなど様々なジャンルの料理専門家や職人が40~50名ほど在籍しており、シーズンに合わせたメニュー研究を日夜行っている。
考案されるレシピは年間で1,300~1,500通りほど。その中から厳しい審査をクリアした約340種類ほどが惣菜コーナーに並んでいる(2023年8月現在)。新メニューはもちろん、既存メニューの改善も欠かさない。

明治屋では、スーパーマーケット向けの商品だけでなく外食事業も手掛けており、"farm to table"の概念のもととれたての新鮮な食材を存分に味わえるフレンチの「颯香亭」や、日本料理「料匠 虎白」など、いわゆるスーパーマーケットとは全く異なる業態だ。トライアルが運営していることを知らない方も少なくない。
トライアルの店頭で売られているおにぎりは59円~で販売されているのに対して、先にあげた「颯香亭」では、皿数にもよるが40,000円台のコースを提供している。そこにはいずれも優劣や妥協はなく、シーンに合わせた最適なメニュー開発がそれぞれなされている。

新たな食事シーンの創出へ

近年、明治屋はスーパーマーケットと外食のハイブリッドとして新たな業態への挑戦を行っている。トライアルグループでは、「グロッサリア」と呼んでおり、食品を意味する「グロッサリ―」と、イタリアの大衆食堂「トラットリア」を組み合わせた造語だ。現在、グロッサリアは脇田店(2022年4月OPEN)と小倉足立店(2023年4月OPEN)の2店舗がある。「グロッサリア脇田店」にはトライアルグループの運営する「トライアルGO脇田店」が隣接。

24時間営業なので様々なライフスタイルに対応できることが特徴であり、例えば「夜勤で帰りはいつも朝」「仕事で帰りが遅く、家で食事の用意をするのはハードルが高い」など多様な悩みに寄り添える業態だ。会社員の方のランチタイムなどに利用されている。

グロッサリア脇田店(内観)

また、「グロッサリア脇田店」は、食事を彩るキッチン雑貨やジャムなどの販売を行っているほか、イートインスペースではミシュラン星付きレストランでの修行経験を持つシェフによって考案された、ここでしか食べられないメニューもある。1番人気は牛肉を100%使用した「炭火焼ハンバーグ」。脇田店限定の地元の卵を使用した「宮若産地黄卵のオムライスビーフハンバーグのせ」も楽しめる。新メニューは、販売開始前にトライアル本社の社食で提供され、社員から意見を募ることも。

「グロッサリア小倉足立店」では、シェフのこだわりの肉料理やパスタはもちろん自家製パンやパンケーキの食べ放題も行っている。どちらの店舗も開店以降、多くのお客様にご利用いただいている。

ディスカウントストアをはじめ、外食、新業態など多方面で様々な挑戦を続けることが、各事業に相互作用をもたらし好循環となっている。次回は明治屋のメイン事業である惣菜製造により深く迫っていく。