見出し画像

水利権とは?

こんにちは。

 みなさんは「川の水を浄化して、砂漠の多い国に輸出すれば、大儲けできるのでは?!」と考えたことがあるでしょうか。
 
 ところが、河川から水を取水する場合、家事用水など常識的に見てごく少量の場合を除き、勝手に水を利用することはできません。河川法という法律により、河川の水を利用するには河川管理者の許可が必要となっています。しかも、この許可を得るためには、その水の使用目的が社会的に妥当なもので、公益性があり、申請した分だけ確実に利用する必要があるなど、かなり厳しい条件が課せられています。

 「だけど、オラの田んぼは、先祖代々から水を引いてきているけど、許可なんかとってねえぞ」という人もいるかもしれません。この点について、旧河川法施行以前、あるいは河川法の適用をうける法定河川として指定される以前から、特定の者に対して社会的に認められた水を使う権利、つまり慣行水利権というものがあり、これについては許可申請をせずとも許可を受けたものとみなされています。

 また、大審院の判決(大判大正6年2月6日民録23輯202頁)でも「他人の所有地から湧出する流水を永年、自己の田地に灌漑する慣行があるときは、これによってその田地所有者には流水使用権が生じ、水源地の所有者といえどもこれを侵害することができないのは、古来から日本で一般的に認められた慣習法である」とされ、慣行水利権は慣習法上の物権と位置付けれられ、民法上は強力な権利として認められています。

 今後も気候変動の影響により、水不足による争いが起きる可能性がありますので、水の利用に関するルールを知っておいて損はないと思います。

 では、今日はこの辺で、また。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?