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パチンコ景品買取違法事件

こんにちは。

 パチンコの歴史を振り返ると、正村ゲージが誕生して娯楽としての人気が広まったものの、昭和29年に連発式のパチンコ機が禁止されたことで下火となり、昭和55年に「フィーバー機」が誕生したことで再び爆発的な人気が出ましたが、行政による規制、業界団体による自主規制などでブレーキがかかるといったことが繰り返されてきたことがわかりますね。

 さて今日は、パチンコ機の景品交換をめぐって争われた「パチンコ景品交換事件」(東京地裁昭和58年3月30日判例タイムズ500号180頁)を紹介したいと思います。

1 どんな事件だったのか

 昭和42年、西武池袋線江古田駅の近くにあった数件のパチンコ店がお客にコンビーフの缶詰を景品として提供していました。安と文の2人は、このコンビーフを客から買い取り、これをパチンコ景品問屋に販売する事業を営むことを考え、それぞれ75万円ずつ出資する旨の組合契約を締結しました。しかし、この組合契約が公序良俗に反するのではないかという裁判が提起されました。

2 東京地方裁判所の判決

 東京都風俗営業等取締法施行条例では、球技場の営業及び従業者は、「客に提供した景品を買い取り、または買い取らせないこと」を掲げ、これに違反した場合の罰則規定を設けている。
 組合契約により、文及び安が行おうとしたパチンコ商品買受販売業は、パチンコ店営業者らの条例によって禁止されている行為に加担するものであり、それ自体も射幸心を蔓延させるなど善良の風俗を害する危険をもたらすものというべきである。それゆえ、組合契約は公序良俗に反するものとして無効であるといわざるを得ない。
 よって、組合は成立しない。

3 3店方式を違法とした裁判例

 今回のケースで裁判所は、特殊景品の買い取りビジネス自体が、現金を賭けることと同じになり公序良俗に反するので、組合契約に基づく共同事業としては認められないとしました。
 過去に、パチンコの特殊景品や買い取りサービスが問題となる3店方式が違法だとされた裁判があったことを知ってもらえると幸いです。

では、今日はこの辺で、また。


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