ニュータマゴウォッチ事件
こんにちは。
たまごっちの25周年を記念して、たまごっちスマートが発売されました。
25年前には、たまごっち狩り、ドラクエ狩り、エアマックス狩りなど、希少な商品が強奪される事件が多かったことも思い出しましたね。
さて、今日はたまごっちと似たような商品が問題となった「ニュータマゴウォッチ事件」(東京地判平成10年2月25日LEX DB28038918)を紹介したいと思います。
1 どんな事件だったのか
1996年に、株式会社バンダイは「たまごっち」という卵形のひよこ育成ゲームを販売していました。株式会社ケイデイワイは、1997年頃から、たまごっちに似たような商品を輸入して販売していました。この類似商品の販売について、バンダイは、自社の商品を模倣した販売だとして、その商品の輸入禁止と販売の差止め、さらには損害賠償を求めて提訴しました。
2 バンダイ側の主張
ニュータマゴウォッチは、その形態が、液晶画面のまわりのギザギザ模様の窪みがないこと以外は、我々の商品であるたまごっちとそっくりである。このような商品を輸入、販売する行為は、不正競争防止法2条1項3号の不正競争行為にあたる。これにより、我々の営業上の利益が侵害されたので、その分の500万円の損害賠償を求める。
3 ケイデイワイ側の主張
裁判所に出頭せず。
4 東京地方裁判所の判決
ケイデイワイは、適式の呼出を受けながら口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しないから、請求原因事実を明らかに争わないものと認め、これを自白したものとみなす。よって、バンダイ側の請求を認容し、ケイデイワイは、ゲーム機の輸入、販売をしてはならず、占有するゲーム機を廃棄した上で、バンダイに対して500万円を支払え。
5 欠席裁判
今回のケースで裁判所は、デザインが類似した商品について、意匠法に基づく登録がされていなかったとしても、不正競争防止法に基づいて類似のゲーム機の販売を禁止することができるとしました。
また民事裁判では、訴えを提起した者の主張した事実に対して、最初に裁判が行われる日までに反論を示す書面を提出せずに、裁判に欠席した場合には、相手方の主張した事実を全面的に認めることになってしまいますので、十分に注意する必要があります。
では、今日はこの辺で、また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?