お金の教育
こんにちは。
昨年、学生がモノなしマルチ商法に手を出していたので、大学全体で注意を喚起するという出来事がありました。長年、マルチ商法については授業でその仕組みを解説してきただけに、被害に遭った学生の様子を聞くととても胸が痛くなりました。
どうすれば改善できるのかと自問自答していると、授業のカリキュラムから外れた者を評価しないというシステムに問題点があることに気がつきました。
そう、これまで学校で評価してきたのは、工場労働者を想定して「言われたことをきちんとやる能力」つまり、「勤勉さ、真面目さ、従順さ」を兼ね備えていることでした。「マルチ商法に手を出すな」という言葉を素直に聞き入れる人材を育てることに重点が置かれていましたが、むしろ「俺、お金の稼ぎ方を知ってるねん。だからそんなやり方ではサステナブルに儲からへんで!」と言える人材を育てることの方が大事なのではないかと、これまでの考え方を大転換する決心をしました。
そこで、手に取った本は『お金の大学』です。
また、こちらの解説も非常にわかりやすいです。
特に、ハッとさせられたのが、給与所得と事業所得の違いを意識すること。つまり、給与所得で安定性を確保しながら、事業所得を得られる能力を身につけていき、事業で貯まったお金を投資して不動産所得や配当&利子所得を手に入れるという戦略だったのです。税法上も、給与所得+事業所得-経費-控除(青色申告特別控除)=課税所得を導き出せることが非常に大きいのです。
じゃあ、どんな事業を始めればよいのか。私自身が手本を示そうと、メルカリを始めてみました。
意外と古本が売れることに、思わずびっくりしてしまいました。たくさんの利益が出るようになると開業届をして確定申告をすることになりますが、そうでなくても「物の値段はどのように決まるのか」「リセールバリュ(再販売価格)を意識して物を買う(例えばiphoneは中古の値段がそれほど下がらない)」ということを実体験で学べることに非常に意義があると感じました。
この事業所得を種銭として、不動産や株式等に投資していけば、やがては経済的に自由になれるという理論は、非常にシンプルですよね。私が教える不動産法や会社法等の知識をベースに、学生たちにはさらに学習をしてもらってどのようにして不動産所得や配当&利子所得を得ていけばよいかを考えてもらう。そうすると、学習のモチベーションはますます高まりますよね。
早速、4月からの授業で実践してみたいと思います。
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